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アッシー君とメッシー君

このタイトルが分かる人って・・・年代がばれますね~。

人工衛星は打上げて宇宙に行ってしまうと修理ができません。 そのために、大事な機器については故障しても衛星全体がだめになってしまわないように、2つ同じ機器を搭載したりします。これを

冗長

といっています。

冗長って普通はあまり良い意味ではないですよね。辞書を引くと、「むだが多くて長いこと」なんて書いてあります。実はその通りで、人工衛星も故障さえ起こらなければ、同じ機器を2台積むなどと言うのは無駄なのです。

しかし、修理ができないとなるとムダと分かっていても、もう一台積んでおいて1台が故障したら切り替えて、もう一台を使う以外に方法が無いのです。

人工衛星を設計する際には、「信頼度」といって、衛星の使用期間(5~10年くらい)の最後まで、衛星がどれくらいの確率で故障せずに使えるかを考えます。信頼度は個々の部品の数や組み合わせ方によって計算するのですが、信頼度が低い場合には、信頼度が低いところを冗長にすることによって、全体の信頼度を上げることができます。分かりやすい例としては・・・

あっちの娘がダメだったら、こっちの娘にアプローチする・・・

俗に言う、「ふたまたを掛ける」確かに考え方は同じで彼女ができる確率は上がりますけどね~

相手にバレたら人間としての信頼度が落ちますね。

さて、冗長(冗長系とも言います)には、大きく2種類かあります。上に書いたような故障すると切り替えて使う冗長系は、

待機冗長

と言います。つまり普段は付き合わないけど、本命の都合が悪くて付き合ってもらえない時に、呼び出すアッシー君やメッシー君です。もしくは、キープ君・・・

ただし、衛星の冗長系でちょっと違うのは、普段使うのも冗長系もまったく同じものです。たとえて言えば、双子の片方が本命で、もう片方がキープ君という、贅沢な構成なのです。

さて、冗長系にはもう一種類あります。

常用冗長

といって、複数の機器を普段から同じように使っていますが、1台が故障しても、他の機器が補って所期の動作をしてくれるのです。

これがまさに「ふたまた」ですね。同じもののどっちがだめになっても大丈夫! ちなみに常用冗長には、機器がいっぱいあって、そのうちの何台かが、故障しても大丈夫なんてのもあります。そう、説明するまでもないですね。

いっぱい彼女(彼氏)がいて1人くらいいなくても OK! というケースですね~。

実はこれが一番信頼度が高かったりします。

だめですよ~人間と衛星は違いますからね~、みんなにバレると人としての信頼度が落ちます。

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