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主婦でもわかる人工衛星の話

このシリーズでは人工衛星や宇宙に興味がない主婦や若い女性でも分かることを心掛けて書いています。これって実は、意外と書くのが大変なのです。何も考えずに書くと普通の人には、多分ちんぷんかんぷんな文章になってしまいます。しかも宇宙関係ってやたらと略称を使います。

SAP、PAF、ACS、TCS、AKE・・・・

なんだかわけ分かりませんよね。

SAP : Solar Array Paddle

PAF : Payload Attach Fitting

ACS : Attitude Control System

TCS : Thermal Control System

AKE : Apogee Kick Engine

省略しなくても訳わかりませんよね。で、こう言った言葉を避けつつ分かりやすく書くのって意外と大変なのです。例えば、専門的な資料だと、

衛星はロケットのPAFとの結合を解除すると分離スプリングにより押し出される。その後ACSにより姿勢を安定化した後にSAPを展開する。SAP展開が遅れると電力が不足し、TCSによる温度制御にも支障をきたす可能性がある。

これを分かりやすく書くと、

ロケットの一番上には衛星を載せるための専用の台があり、衛星はその上に乗っています。ロケットが宇宙空間に飛んでいくとその台から衛星を切り離し、更にバネで押し出します。押し出さないとロケットと衛星がぶつかって衛星を壊したりしてしまいます。切り離された衛星は姿勢制御と言って、まずは向きを安定させます。そうしないと、地上と通信したり太陽電池で電力を得ることができないのです。衛星の姿勢が安定したら次は太陽電池のパネルを開きます。これでようやく衛星を動かす電力が得られ、機器を動かすことができるようになるのです。太陽電池を開くのが遅れてしまうと機器を動かすことができないだけでなく、熱制御と言って各部の温度を調整している部分も働かず、衛星の温度が下がり過ぎて、故障してしまうこともあります。

となります。

あ~疲れた。

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