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「教えるとは希望を語ること。学ぶとは誠実を胸に刻むこと」



tumuguitoさんがお書きの「詩と歌:上等な糸ではないけれど・・・」。



noteを拝読して思いだした言葉があります。

それは、

「教えるとは希望を語ること。学ぶとは誠実を胸に刻むこと」。

教育について色々と考えさせられる言葉です。


フランス語の原詩

Enseigner c'est dire esperance
étudier fidélité


この言葉の背景を調べみました。

「教えるとは希望を語ること。学ぶとは誠実を胸に刻むこと」の一節は、フランスの詩人ルイ・アラゴンの「ストラスブール大学の歌」に登場します。

第二次世界大戦でのドイツによるフランスへの攻撃から逃れるために疎開をしたストラスブール大学を歌った詩の一節のようでした。

1943年11月、ストラスブール大学の教授、学生が銃殺され、数百名が逮捕されました。
大学は戦火と弾圧を避け、疎開した事実を詩人ルイ・アラゴンが歌いました。

以下に全訳を載せます。


ストラスブール大学の歌(大島博光訳『フランスの起床ラッパ』所収)


陽の色に輝やくカテドラル
ドイツ人どもに囚われながら
おまえは倦むことなく数える
めぐる季節を 月日を 流れる時を
おお ストラスブールのカテドラル

学生たちは別れを告げて逃れ出た
アルザスの空翔ぶ鵠鶴(こうのつる)と
おまえの薔薇形窓の思い出を
いっぱいつめた背負袋(リュック)を肩に
それは  ほんの始まりだ

教えるとは 希望を語ること
学ぶとは 誠実を胸にきざむこと

かれらはなおも苦難のなかで
その大学をふたたび開いた
フランスのまんなかクレルモンに

古今の学に通じた教授たち
審判者(さばくもの)の眼差しをもった若者たち
きみたちは そのかくれ家で
大洪水の明けの日にそなえた
ふたたびストラスブールへ帰える日に

学問(シイアンス)とは永い永い忍 耐(パアシアンス)
だが今 なぜすべてのものが黙っているのか
ナチどもははいりこんできて 殺している
暴力だけがやつらのただ一つの特性だ
殺すことだけがやつらのただ一つの学問(シイアンス)だ

やつらは鉄の拳で撒き散らす
われらのかまどの灰までも
やつらは手あたりしだい撃ち殺す
見よ 教壇にうつ伏したあの屍を
友よ 何を われらは何を なすべきか

「無垢な幼児たち」の大虐殺を
もしもヘロデ王が命じたとすれば
それは君らのうちよりひとりのキリストが
あらわれでて 美しい血の色に
目覚めるのを怖れるからと 知れ

ストラスブールの息子たちは倒れても(*1)
だが 空しくは死なないだろう
もしも 彼らの赤い血が
祖国の道のほとりにふたたび花咲き
そこにひとりのクレベール(*2)が立ち上るなら

今よりはかずかずのクレベールたち
それは百人となり 千人となり
つづく つづく 市民の兵士たち
われらの山やまに 町まちに
義勇兵とパルチザンたち

われらはともに行こう ストラスブールへ
二十五年まえの あの日のように
勝利はわれらの頭上にあるのだ
ストラスブールへ だが何時と君らは言うのか
よく見るがよい 震えおののくプロシャ人どもを

ストラスブールの プラーグの オスロオの
三つの受難の大学よ
よく見るがいい 銃をうつやつらの姿を
やつらはもう知っている 逃げだす日の近いのを
敗北こそ 奴らのさだめだと

よく見るがいい やつらがおのれの運命を知り
士気もおとろえた その姿を
死刑執行人どもこそ罪人にかわるのだ
やつらに戦車と手先があろうと
やつらを追いだすのだ 今年こそ

武装を解除された英雄たちよ 武器をとれ
ストラスブールのためフランスのため世界のため
聞け あの深く どよもし どよもす
フランスの声を 祖国の声を
鉤 十 字(ハーケンクロイツ)の 殺人(ひとごろし)どもは滅びるのだ

陽の色に輝やくカテドラル
ドイツ人どもに囚われながら
おんみは倦むことなく数える
めぐる季節を 月日を 流れる時を
おお ストラスブールのカテドラル

(*1)1943年11月クレルモン・フェランでストラスブール大学の教授、学生が銃殺されて、数百名が逮捕された。
(*2)クレベール(1753-1800)ストラスブール生まれのフランスの将軍。1792年の革命的人民の義勇軍に参加、翌年将軍となる。戦功によりライン軍の司令官となる。

()内の文字は、大島氏が振ったルビです。


社会情勢と教育


「政府がある方向へ舵を切った」と感じる出来事がいくつかあります。

その時は、必ず教育方針の変更を現場に押し付けるものです。

この現実にどのように抗うか?

一人ひとり違う方法ではありますが、「変は変」「嫌なことは嫌」「間違っていることは間違っている」と心したいものです。



(ご参考サイト)

合同経営のブログ
(HPによりますと、
合同経営の理念
①「日本国憲法」の原理原則を大切にします
②「輝き」を広げます
③「笑顔」を広げます
④「一隅を照らす」ことを誇りに生きます)

レファレンス共同データベース
(HPによりますと、
レファレンス協同データベースは、国立国会図書館が全国の図書館等と協同で構築している、調べ物のためのデータベースです)

・原詩「ストラスブール大学の歌」
大島博光の詩と訳詩を読むより)

・フランス語原詩について
Louis Aragon, 大島博光







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