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“南北戦争:The Civil War ” 再び

ジャニスの死後に発売され、追悼の意味合いも加わってたちまちベストセラーとなったスタジオ録音アルバム『PEARL:パール』で、ジャニスのバックバンドを務めた連中、フルティルト・ブギーバンド(直訳すれば、インチキしまくりブギウギバンド)とのライブセッションを収録したドキュメンタリームービー『フェスティバル・エクスプレス』については、以前、1日限りの爆音上映会のレポートを綴っていたことがありました。

その中で、この鉄道ライブツアーの沿線で開催された、ツアーの赤字を解消するために企画された、有料ライブ会場にやって来たオーディエンスは、ほとんどが白人層ではあったが、経済的にも余裕があって、有料ライブでもいいからロックを楽しみたいというセレブリティ+ブルジョアジーと、

それ以外の、現状に不満を持っていて、とにかくライブ会場に出掛けて暴れまわりたい、一言で言えば、“怒れるプアホワイト層”に二分されていたという状況が、現在の、トランプ氏を盟主としたグループと、バイデン大統領を担ぎ上げた勢力との、“血で血を洗う”対立にまで発展してしまった、アメリカ“合衆国”の分断状況=21世紀の“南北戦争”に酷似していますね。

結局、日本が幕末から明治維新で大混乱に陥ったように、アメリカも、ほぼ同時期に勃発した「南北戦争」によって分断された状況を、150年が経過した今日においてもいまだに引き摺っていることがわかると思います。

本日は、ロック要素を吸収しに、お台場のZepp DiverCity Tokyoへ。
一夜限りのロックライブ・コンサート映像を観て、アメリカン・ロックの全盛期にタイムスリップ♪
https://www.zepp.co.jp/hall/divercity/schedule/single/...

1970年の6月に、カナダの東部から西部へと向かう特別あつらえの列車「フェスティバル・エクスプレス」号に、この時がまさに旬のロックミュージシャンたちが乗り込み、車内でジャムセッションを繰り広げながら、さらにカナダの鉄道沿線の町々でスタジアムコンサートを開催する模様を収めた、ロックミュージック・ドキュメンタリー。

このコンサートの直前に、ウッドストック・コンサートが開催され、途中からフリーコンサートにせざるを得なくなったウッドストックの影響から、この手のコンサートは無料にするべきであるという空気が流れるなか、会場となった各スタジアムでは大混乱に陥ります。

オーディエンスは、実は二分されており、まずは有料でもコンサートに参加したい、比較的リッチな白人のブルジョア層と、コンサートが目的というよりは、世の中に対する不満を抱えており、その不満を解消するためだけに会場に押し掛けて、主催者に詰め寄り、会場警備の警官隊にも殴り掛かり乱入しようとして暴徒と化したプアホワイト層。

なお、この当時のロックコンサートには、出演したバディ・ガイ・ブルースバンドのような黒人グループもいましたが、オーディエンスは、黒人やエスニック、アジアンなどのマイノリティがほとんどいないホワイト層に限られていましたね。

一方、ミュージシャンには、一応は白人層に属してはいますが、カントリーミュージックの放浪者音楽の流れを汲む南部や西部から一獲千金を夢見る野心的な地方出身者、または、ジャニス・ジョプリンに代表される労働者階級の白人層、さらには、元々のルーツのヨルダンのことや一神教の神のことを歌ったジューイッシュ系の白人層など、いわゆるエスタブリッシュメントと呼ばれる東部出身のエリート集団とは一線を画していましたね。

また、このフェスティバル・エクスプレスの主催者としては、車内のジャムセッションは、あくまでミュージシャンが互いの親睦と良好な人間関係を構築するために、最高レベルの設備や調理施設を準備するために莫大な予算を費やし、ギャランティも破格の金額が支払われたため、鉄道旅行の沿線各地で開催される有料のスタジアム・コンサートで元を取らないとペイしない経済事情を抱えているのに、前述した事情で暴徒騒ぎが勃発したために十分な入場料収入が確保できなくなってしまい大赤字となってしまい、この催しは二度と催されることなく今日に至っております。

さて、爆音上映会と題したこの催し。
やはりロックは大音量の爆音で聴かなきゃね♪

どのミュージシャンも大迫力で迫ってくるのだが、やはりジャニスは別格だね!

ジャニスはすげぇ。

そう、ジャニス・ジョプリンの歌は魂が揺さぶられ、彼女の、まるでブラックホールのような心の隙間にぽっかりと空いた寂しさと悲しみが実感され、それを補うためにはドラッグとアルコールの助けを借りなければすぐにでも崩壊してしまう危うさに満ちていました。

https://www.facebook.com/legacyjp/posts/pfbid031NTJzYUtNpfv7sEtsTEFZsJwXMnpPGkW3kTMNc3NDRGkU9ua4u8u2RvkxHakXqmel

実際のところ、間もなく彼女はオーバードーズで帰らぬ人となるのですが、その最後の輝きを見せて、白い灰になって燃え尽きた感じ。

ちょうど日本では、あしたのジョーこと、矢吹丈がホセ・メンドーサとの死闘の末に、リングサイドのコーナーポストで二度と起き上がらなかったのとシンクロするかのように。

※※※

Janis Joplin - The Pearl Sessions (Teaser)


チャンネル登録者数 18万人

2012/03/30 に公開

Janis Joplin - The Pearl Sessions Listen to Janis Joplin:

https://JanisJoplin.lnk.to/listenYD

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