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介護日記2#87レビー小体型認知症母の身体の緊張

レビー小体型認知症である介護5の母は車椅子生活。
看護小規模多機能のサービスを利用して家と施設を行き来しながら日々を送っている。

今では立つことも寝返りをうつこともできない。
なんとか食欲があり本人が覚醒している時に口元にスプーンを近づけると口を開けて、とろみを付けたミキサー食を食べることが出来る。

最近はそれが継続出来るのは数分。

10分もすれば目を口を閉じてしまい食事はストップしてしまう。

そんな時は車椅子で家の中を回って動いてみる。
すると動いた振動の刺激により再び目を開けて食事を続けることが出来る。
最近は比較的なんとか完食できているのでほっとしている。

しかし目を閉じたままのことも。

そんな時は食事は中断したままで30分程そのまま目を開けるのを待ってみたり、30分程待っても目を開けない時は再び家の中を車椅子で回って動いてみる。

するとまた覚醒し食事を続けることが出来ることもある。

全く効果なく、半量食べたところで、食事を終了するしかないときもある。

先日の夕食がそうだった。
数口食べたところでストップ。
暫くして目を開けたので飲まなくてはならない夕食後薬を飲んでもらう。そして再び数口おかずやお茶を食べたり飲み込んだ後は、口を開けなくなって目も瞑ってしまった。

仕方がない。
食事の時間は終了するしかない。

そんな生活は2年以上続いている。

食べる。
それは間違い無く、生きることに繋がっている。




母の最近気になること。

身体のあちこちの緊張が強くなっていること。

手の指
爪の形が付く程固く握りしめていることが多くなってきたので、直径3cm程のフエルトに綿を詰めたものを作り握らせている。
強く握りしめるからなのか親指と人差し指の付け根には血管が切れたのか青黒く変色した箇所がある。

腕や脇
右腕はグッと力が入って右にひねって手首から反り返ってしまう。
そして両脇はグッと閉じたまま。
蒸れて炎症の原因になるので直径10cm程の円柱状の物をタオルで作りそれぞれの脇に挟んでいる。


両膝が当たって赤くなる程強く閉じてしまうので膝の間にも小さなクッションをはさんでいる。

もっと良いやり方があればと思うのだが。

そっと私が手を添え母の手や腕をさすったり、ゆっくり動かしていると少しずつだがガクンガクンと脱力して緊張が解けてやわらかくなり、少しずつ動かすことが出来るようになるが、数分そのままにしているとまたガチガチに硬直してしまう。

訪問診療クリニックの医師によると身体の硬直はいずれは食べ物の飲み込みに必要な喉にも硬直が起きる可能性があるかもしれないと。

確かに。




母が覚醒している時は、自宅に帰ることがわかっているし私が娘だとも理解してくれる。

もちろん、全くわからない日もあるのだが。

特に自宅で何か変わったことをする訳では無いが、いつものようにいつものことをする。

何もしなくても、生活音が居心地が良いと聞いた事がある。

1年前にはちょっとした会話が出来ていたが、今では殆ど発語が無くなってしまった。
ごくごくたまに「おはよう」や「ありがとう」などの言葉がふっと出てきた時はとても嬉しくなる。

嬉しい事に、珍しく朝起きがけに発語があった。
ベッドから車椅子に移乗する際に
「車椅子にうつりますよ〜」と私が耳元で声かけをすると
「お願いします」とはっきりと言葉に出してくれた。
嬉しくなり思わず
「は〜い」と元気よく返事をしている自分がいて笑ってしまった。
たったそれだけだけれど、平和で幸福な時間だ。

色々あるけれど、母は身を持って私や関わりのある全ての人達に、人間としての生き様を見せてくれていると思っている。



読んで下さってありがとうございます。
穏やかな1日でありますように
(梅)

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