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対人間攻略「一般理論」 ユング心理学タイプ論とエマニュエル・トッドの家族論で見る人間の傾向性と攻略法の糸口

  • 対人間攻略「一般理論」とは

  • 対個人性格分析。ユング心理学タイプ論のよる性格的傾向とイドラ論による弱点

  • 対個人能力。弱点の概要。わからん殺しの応用

  • 対集団性格分析。エマニュエル・トッドの家族論による共同体的形成過程における性格の傾向とユング心理学タイプ論との融合

  • アノミー型核家族とアノミーとアモック

  • アノミー化を防ぐ方法

  • 対集団その他。社会心理学

  • あとがき 参考文献

対人間攻略「一般理論」とは

ユング心理学タイプ論とエマニュエル・トッドの家族論などを利用しながら、人間の傾向性を把握して、対処してしまおうという考えに基づいたものです。私の場合、あまり文章を書く、理論体系を書くのが得意でなくかつ好きなタイプではないので、ざっくばらんに書いていこうと思います。

きっかけはYouTubeをやっている時に、QOさんという方からユング心理学とトッドの家族論を紹介され、これらを利用していろんな知識人を攻略していったとこから始まってます。そして、次から次へとポイポイ利用しまくる自分を振り返って、これ何かに使えるんじゃねというとこで理論化を先のQOさんに依頼したのが今です。

つまりは、自分は理論家というよりは実践家であり理論自体を深掘りして応用する側の人間でして、「孫子」でいうところの曹操に当たるポジションにいます。そもそもが対人間攻略なんて発想は格闘ゲームでいう人対からきてるものですし。

対個人性格分析。ユング心理学タイプ論のよる性格的傾向とイドラ論による弱点

ユング心理学タイプ論性格診断って言ったらややこしそうですが、要するには16パーソナリティの元になったやつで、元ネタならいっそ本家本元を利用した方が手垢がついてなくてよくねって感じで使ってます。

まず、外向と内向。これは結構簡単に判別できます。新しい環境が好きか嫌いか、部屋で一人でいるのが好きか嫌いか、人と一緒にいるのが好きか嫌いか、これらで判別できるのであまり苦労はないです。

次に、四つの機能。合理型の思考型と感情型、非合理型の直観型と感覚型。主機能がどれかで、補助機能が主機能の反対じゃない方のどれかって感じで判別できます。

ちなみに、自分は内向的直観型補助感情。↓な感じ。

判別法としては、うちの動画どっちかでできますので細かいことは省きます。

基本的には、判断の時にどうしてるかでわかります。

思考型 must have to 〜すべきだ 〜しなければならない
感情型 want to like to 〜したい 〜が好き
直観型 may maybe 〜だろう たぶん かもしれない
感覚型 feel that 〜じゃね? 〜って感じる

補助機能の判別としては、自分が嫌いなタイプの反対だったりすることが多いです。自分の場合は、思考型がめんどくさいって思うのでその反対の感情が補助機能っぽいです。

また、どうしても判別ができない場合は簡単な方法があって、タイプ論を理解した感覚型に判別してもらうのが手っ取り早いですね。

なお、それぞれの型にはおかしやすい誤解パターンがあって、フランシス・ベーコンのイドラ論で説明すると捗ります。

直観型 種族のイドラ 素朴な勘違いによる誤解 普通に考えたらそうじゃね?
感覚型 洞窟のイドラ 個人の体験に囚われた誤解 俺はこうだったから
感情型 市場のイドラ 附和雷同 みんなが言ってるから
思考型 劇場のイドラ 権威主義 偉い人が言ってるから

だんだん性格的傾向による弱点が見えてきた頃でしょうか。細かい内容は反応次第で個別にやろうと思います。というのも、うちのチャンネルの動画でしょっちゅう扱ってるので、詳しくはそちらで、という感じです。

因みに、このタイプ論は色々遊べるので、漫画や人物批評なんかに使えます。これとかこれとかこれとか。面白かったら、動画の方で反応を下さると幸いです。

対個人能力。弱点の概要。わからん殺しの応用

性格的傾向の次は、単純に能力分析です。

知識人を攻める時に分析する際のレーダーチャートとして使っているものです。例えば、今回のコロなんとかという病気でパニックになって、専門家の言いなりになった知識人や官僚がいます。優しさのため、リンクは貼りませんが(笑)

その人の場合、自然科学、理系分野の知識が欠落していたため、病気がいかに作用するのかが想像できなくて、専門家が好き放題言っているのに対し「頭が下がる思いですよ〜」と唯唯諾々と従っていました。普段は「経済諮問会議にやってくる経済学者という専門家が嘘を言って国民に被害を与えている」と言っていたのに、この時は専門家の言いなりになってました。

つまり、これが「わからん殺し」の典型例です。「わからん殺し」とは、もともとは格闘ゲームで相手が知らない手筋を利用して勝つやり方です

現代社会において専門分野が多岐に渡り、多くの分野をカバーしている人(ゼネラリスト)が少なくなっています。そして、狭い範囲しかカバーしていない人(スペシャリスト)が多くなっていて、そうしたスペシャリストたる多くのエリートや知識人が「わからない」や「教えてくれ」を言えずに別の分野の専門家の言いなりになっているケースが多く見られます。

故に、相手の能力的弱点を把握し、そこに攻撃を仕掛けて仕舞えば、容易く攻略できるという体験から「わからん殺し」を推奨します。

相手が文系だったら理系、理系だったら文系、と言ったように容易に弱点の当て推量が効くので、実はそんなに難しいことではありません。そして、相手の知らないことを攻撃することは恥ずかしいことではありません。

孫子曰く「攻むれば必ず取る者は、その守らざる所を攻むればなり。守りて必ず固き者は、その攻めざる所を守ればなり」

勝てるかどうかわからない状況で相手の得意分野に突撃するのは趣味の範囲内に留めておきましょう。

対集団性格分析。エマニュエル・トッドの家族論による共同体的形成過程における性格の傾向とユング心理学タイプ論との融合

共同体の最小単位は家族です。個人の価値観は家族で養われます。そして、家族を構成するのはそこにいる人達です。すなわち、環境に自然淘汰されなかった人達が家族を構成し、価値観を醸成し、個人を育成していく。と考えたら、集団に傾向性が見えてきます。つまり、カルチュラルスタディーズが否定した「国民性」を把握できる手段が、このトッドの家族論というわけです。

紹介解説動画はこれ。読むのめんどくさい人はこっち見てください。

集団には指向性があります。力への意志、第三者の目、規範意識の三つ。このうちどれを重視するかで家族形態が決まってきます。

共同体的家族。力への意志と規範意識を重視し、第三者の目を軽視する。
タイプ論で言う直観型が形成しやすい集団ですね。ロシア、中国、中東、北欧がその傾向があります。要するに、厳しい自然環境や強い外敵が存在するために、未来を予測したり、環境を把握したりしながら注意深く生活しなければならないがゆえに、直観型が主導した集団が共同体的家族です。多分、一番強大になるポテンシャルがあり、かつ腐敗しやすい組織形態です。

平等主義家族。第三者の目と規範意識を重視し、力への意志を軽視する。
タイプ論で言う思考型が形成する集団です。言い方は悪いですが、他人の目を気にしながら、「〜すべき」が罷り通る環境がそうさせた感じです。

絶対核家族。力への意志と第三者の目を重視し、規範意識を軽視する。
タイプ論で言う感覚型が形成する集団です。競争に勝つために、何をやってもいいと思っている人間集団で、アメリカの新自由主義的なあり方がまさにこの絶対核家族そのものです。

直系家族。力への意志のみ重視し、第三者の目と規範意識は軽視する。
タイプ論で言う感情型が形成する集団です。日本がそうですね。田分けによる弱体化を防ぐために有効に機能したシステムとも言えます。と同時に、意識すべき指向性が一つしかないので、極めてアノミー化しやすい組織形態でもあります。

アノミー型核家族とアノミーとアモック

アノミーとはエミール・デュルケームの使用していた用語で「組織が無秩序、無軌道、無規範」になった状態で、集団を縛るべき指向性を失ったらアノミー型格家族となります。

アノミー型核家族は日本に蔓延しています。

かつては、親がおかしなことを子供に言ったりやったりしていたら、おじいちゃんやおばあちゃんが親を注意することで修正されていきました。または、近所の人が眉を顰めたりして我が身を正したり、そもそも意味もないことを押し付けていたら滅茶苦茶になるので反省したりしていたとして、今の日本でそのような修正が入る機会がありますか、ないでしょ、ということです。

そうすると、親がどんどんおかしなことを言い出して、それを聞いた子供もおかしくなっていき、それを見た親もさらにおかしくなり、という無限ループでおかしさの相互作用が親子間で作用していきます。この完全に外界から隔絶された核家族って、今、日本中にありませんか。この超グロテスクな親子がそこかしこにいますよね。

つまり、「最近の子供がおかしい」とか「中年がおかしい」の原因は家族の構成にあるとすると、昨今の日本人が引き起こすおかしな行動の数々=アモック=強い抑圧から狂乱状態になって逆上し暴走すること、の説明がつくわけですね。

価値観からして腐っているし、その価値観を醸成する土壌がそこかしこに出来上がっていて、さらに、それを推奨し維持しようとするのだから、もうこの国、結構詰んでます(笑)

アノミー化を防ぐ方法

要するに、力への意志、第三者の目、規範意識を保つことでアノミー化は防げます。例えば、中年になって太るのに抗って体を鍛える(力への意志)、鏡を見る習慣をつけて多少のお洒落をする(第三者の目)、みんなで決めたルールは気軽に踏み躙らない(規範意識)などです。

または、タイプ論に引きつけて、こうとも言えます。各タイプだけの在り方以外の在り方を自分に取り入れる。

例えば、感情型なら判断基準が「好き嫌い」ですからそれ以外の判断基準を取り入れる。逆にいうと、一個の基準だけしか採用しない人はユング心理学のいうところの「個性化」がなされていないとされ、人格の統合性が損なわれます。アノミーになるということは「自分自身の好き勝手を許す」ともいえ、それを自身に許さなければアノミー化は容易に回避できるとも言えます。

因みに、アノミーが深く進行した人は病的なパーソナリティ(自我肥大、統合失調症、境界障害など)を有しているのであまり接してはいけません。病気がこっちにうつりますよ(笑) 三十六計逃げるに如かず、です。

対集団その他。社会心理学

ここは一般的な社会心理学の本を参照ください。特に、オリジナルの要素はありません。自分が改めて書くほどのことはないです。

あとがき 参考文献

ものすごい雑に書き上げたものですが、必要なエッセンスは詰め込んでありますので、後の詳細を詰めるのは動画や個別記事にてやっていこうと思います。

よしなに。

参考文献
「ユング心理学入門」河合隼雄著
「ユングのタイプ論に基づく世界諸国の国民性 そして内向型国民の優れた特性」山口實著
「世界の多様性 家族構造と近代性」エマニュエル・トッド著

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