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【ep1】帰国子女の女性フォトグラファー 第3話(群像の中のプロフェッショナル)

皆さん、ごきげんよう。橘ねろりです。

高層ビルが立ち並ぶ都会の雑踏の中―。
人々が急ぎ足で向かう混み合った路上の真ん中で、
ふと立ち止まってみたことはありますか?

通りすがりの大人たちは、一体どこから来て、
どこへ向かおうとしているのか―。
地方から進学してきた人、都会で仕事に励んでいる人、
外国から研修に来ている人、
または旅の途中の人や、人生休暇中の人…。

いろいろな人が行き過ぎるも、
きっと誰もが、何かに向かって進んでいる途中なのだと思います。

だから、そんな通りすがりの人々を呼び止め、あえて尋ねてみたいのです。
「あなたの夢は、叶いましたか?」と。

理想の人生を追い求めて、今どんなステージで活躍し、
そして何を目指しているのか。
「その足跡」と「これから」をインタビューするシリーズです。

【episode1】 
人生は、なんという偶然の集まり!
~東京在住の帰国子女 女性フォトグラファーの場合~

第3話 
フォトグラファーへの憧れ

カメラ好きの祖父が亡くなったのは、中学生のとき。
いつも家族旅行に行くときは、祖父が家族の写真を撮ってくれていたのですが、亡くなった後は写真を撮る人がいなくなったので、なんとなく私がその役目を継いだようなかたちになりました。

その当時は、一眼レフなどを使わずに、普通のフィルムカメラや「写ルンです」などで気軽に写真を撮っていました。
また当時通っていた中学校が横浜にあったので、撮影には絶好の風景がまわりにあり、学校にもカメラを持って行くようになりました。

横浜の海や港、公園などに行き、空や雲、夕焼けの風景など、この日、この時間にしか見られない風景を撮ることに熱中していました。
その風景にたまたま出合い、たまたま見つけた、という素敵な瞬間を切り取って残しておきたい、という気持ちだったかと思います。

また横浜は、中華街などもあり、ドラマの撮影がよく行われる場所。撮影があれば、有名人を間近で見られたので、カメラを向けるのが楽しい街でした。
そのうち、好きなアイドルの撮影現場に遭遇し、遠くからこっそり写真を撮ったりしていました。そうなると、今度はアイドル雑誌の写真にも興味が湧いてきました。

「そうか、フォトグラファーになったとしたら、好きなアイドルも撮影できるのかー。
それなら撮影現場でアイドルの写真をこっそり撮るのではなく、フォトグラファーとなって堂々と芸能人を撮ってみたい!」

そんな願望が芽生えてきたのですが、両親からは写真はいつでも撮れるので、とりあえず何か将来に役に立つ資格でも取れるよう大学に進むように言われました。資格があれば、人生なんとかなるからと―。

アメリカに移住するかもしれない、という話が持ち上がったのは、そんな中学3年生のころのことでした。中学から高校へは受験せずにそのまま進学できたので、学校に提出する進路希望の紙には、とりあえず行きたい大学や写真の学校などを書いたかと思います。

そして高校1年生が終了した3月に、通っていた中高一貫の私立校を中退し、アメリカに行く準備を始めました。

実は、アメリカに行くかどうかの選択権は自分にありました。
日本にいたければ、父以外の家族と日本で暮らすこともできたのです。ですが、それまで家族旅行でハワイやグアムに行ったり、中学校の修学旅行でニュージーランドに行き、ホームステイとファームステイを経験したりしたことで、海外への興味が湧き、片言でも英語で外国人と話すことが楽しいと思う気持ちが生まれていました。

私は高校を辞めて退路を断ち、アメリカに移住することに決めました。
もう後戻りはできません。
この16歳での決断が、その後の人生に大きく影響したのです。

<第4話へ>

>第1話~第2話


★橘ねろりの記事「Bitter Orange Radio」
「自己紹介 橘ねろり」
「コンテンツグループのメンバー紹介/ライター・フォトグラファーのプロフィール」
「群像の中のプロフェッショナル ーあなたの夢は叶いましたか?―」
「セラフィーナとエクリプサ ChatGPTとの秘かな戯言 【第1夜】」
「セラフィーナとエクリプサ ChatGPTとの秘かな戯言 【第2夜】」

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