何度も読み返した本「スプートニクの恋人」
「本は買うひと? 借りるひと?」
「借りて気に入ったら買うひと」
「それ、何度も読み返す?」
「うん」
うん、とあのとき答えたけれど、さて、わたしは何をそんなに読み返しているのだっけ? と思い、書き留めてみることにした。
★「スプートニクの恋人」村上春樹
幼少期から思春期にかけ、わたしは、いわゆる読書の王道と呼ばれる道を通ってきたと思う。小学生の頃「赤毛のアン」に惚れ込んでモンゴメリを読み漁り、中学生になると太宰治の暗澹さにのめり込み、背伸びして谷崎潤一郎を読んでみたけれ