見出し画像

読書日記。『幼なじみ お江戸縁切り帖』

夜中に目が覚めた。「もう眠れないだろう」と覚悟を決めて、ベッドサイドに置いてあった本を手に取り、読了。

泉ゆたか著『幼なじみ お江戸縁切り帖』。

おどろおどろしい内容になりそうなテーマなのに、文庫の表紙のイラストがやけに可愛いと思ったら、やはり爽やか系。因縁、執念、怨念的なものはなくて、さらっと軽い。

終盤に出て来たこの台詞が好き。

「寂しい時に結ぶ縁ってのは、必ずろくなものにならないって決まりさ。(中略)お互いをうまく先へ運ぶ縁ってのは、日々の暮らしに満ち足りているときに現れるもんだよ。生きるってのは苦労は多いけれどなかなか悪くないもんだね、ってまっすぐに思っている奴のところにしか、良い縁なんて寄ってくるはずがないさ」

イネばあちゃん、いいこと言うね。

花村萬月さんのあとがきで、著者が女性だと初めて知った。そういえば昔、隣の編集部の副編集長の女性の名前が “ゆたか” さんだった。

時代背景は違うけど、代書屋さんが主人公の『ツバキ文具店』(小川糸著)を思い出しながら読んだ。

眠れない夜は読書に限るね。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?