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読書日記。『にじいろガーデン』

昨夜のお供は『にじいろガーデン』(小川糸/著)。

小川さんの小説との出会いは、もちろん『食堂かたつむり』。

そうか、まだ15年しか経っていないのか。当時と比べて、あまりにも環境が激変したので、読んだのが遥か昔のように思える。

あの頃、わたしは充実した日々を過ごし、幸福だった。無我夢中で働いていたし、死生観などと正面切って向き合う余裕も必要もなかった。

本って、読むタイミングで感じ方、染み入り方が変わるよね。

『つるかめ助産院』がいちばん好き、と思っていた時期があった。
その後、いや、『リボン』のほうが好きかも、と思い、
ああ、でも、『とわの庭』もいいなぁ、と変わって来た。

昨夜手に取った『にじいろガーデン』は、
読み始めてすぐに、ああ「小川さんっぽい」と思い、
一見、小川さんらしからぬ意外な人間関係と思えた登場人物たちも、
読み進めるうちに、やっぱり「小川さんっぽい」と。

小川さんの小説のベースに流れる密やかな死の匂いが好き。
運命、再生、循環、共生、輪廻、絶望、希望…。
終わっても、また始まるし、始まっても、いつかは終わる。
その繰り返し。命は巡っていく。

まだ3分の1くらいしか読んでいないけれど、
このタイミングでこの本に出会えてヨカッタと自分を褒める。

『ツバキ文具店』のほっこりふわふわした小川ワールドも好きだけど、社会からちょっと置き去りにされた感じの主人公の方が感情移入しやすい。

今晩には読み終えると思うので、感想はまた追って。

小川さんの小説でまだ読んでない作品ってあったかな。

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