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「正しい答え」を集めた先に、「教養」があるわけではない

(※録画視聴パスは、10月1日のエントリより取得できます。)


 そんなわけで宣言どおり、ハート『法の概念』の(ひとり)読書会を順調に(?)進めているのである。


 このような「読書会」をやっているのは、これまでも何度か述べてきたとおり、テクストを読むという営みのいわば「深み」と、そこにおいてこそ涵養される「文系」の知的能力という、現代日本においては顧みられることの少なくなったように思われるものについて、少しでも人々の関心が向かうための一助になれば、という動機があったからである。ただ、インターネットを通じた放送という形式上の制約から、私にできることは用語の解説や各章の概括的な「まとめ」の提示といったことが主になってしまうから、上記の目的の達成のためには、まだ(私のやり方に)改善すべき点が多くあるだろうと考えてもいるところだ。

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