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「東京都同情塔」(文藝春秋掲載)を読んで。

こんばんは。今日もお疲れさまです。

ちょっと久しぶりに読書感想文でも書いてみようかなと思い、以前書いた記事を読み直してみたら三年前に書いたものでした。
年とともに「ちょっと」の間隔が長くなるこの現象はなんなんですかね。そのくせ気は短くなる一方なんだからもうやってらんないゼ。(短気)
ま、そんなことは置いといてちょっと三年振りに実家に置いてあった文藝春秋三月特別号とやらをまた読んでみましたのでせっかくだし感想を書いておこうかと思います。

文藝春秋ってすごいですよね。芥川賞作品載ってて、書評もあってインタビューも載ってて、それ以外にも色々(小川哲さんの小説家VS AIの記事と有働さんと東出さんの対談が私は面白かった)載ってて定価1300円なんてめっちゃお得ですよね!(普段全然読まないし買わないくせに唐突に宣伝し始める無職)……でも3年前より300円も値上がりしてるってことか……いや、本当いい雑誌です。ありがとう。

そんなわけで、ここからは第170回芥川賞受賞された九段理江さんの「東京都同情塔」の感想を書いていきます。(ネタバレ含んでしまうかと思うのでこれから読まれる方はバックでお願いします)

因みに先に読んだ父に感想を聞いたら一言「俺は市川沙央の『ハンチバック』の方が面白かったけどね」だった。
まぁ、ネタバレに配慮してそれだけだったのかもしれませんが…… おかげで私は期待値ゼロで読み始めましたがそんな期待はしっかり裏切られるくらいにはしっかり面白かったです。

ザハ・ハディドによる新国立競技場が建設されたとするパラレルワールドを舞台にする……って言う設定からもう凄いと思うし、犯罪者が「ホモ・ミゼラビリス(同情されるべき人々)」と呼ばれる設定や世界観はアニメ PSYCHO-PASSや伊藤計劃(同誌の円城塔の追悼文も良かった)の作品みたいでワクワクした。

ただ、父が言っていたからでは無いけれど好みの話で言えば私もハンチバックの方がやっぱり面白かったなと思った。
主人公が結局最後まで人間味が感じられないまま終わってしまったのが残念。それも含め作者の意図なのかもしれないけど、やはり私は物語である以上は人と人がぶつかったり、一線を超える瞬間が見たいと思ってしまう。舞台設定そのものはパラレルワールドを描いている点、超越しているのかもしれないけれどどうにも登場人物同士はすれ違って終わる感じと言うか、肩透かしを食らった印象だった。
終盤で登場するレイシストの記者はタブーを連発するキャラで面白かったけど、それも結局キャラ設定までで彼が実際に物語上で何かを起こすということも無かった。
その代わりと言うのか情景描写が美しいところが多かったので映画化しても良いような話だと思う。主人公マキナは長澤まさみか吉高由里子とかが良いな。
……と、色々妄想を掻き立てられるから結局読後の物足りなさも含めて計算され尽くして作られている余白だったと言うことなのかもしれない。
↓この記事が面白かったです。

3年ぶりだけどやっぱり私読書感想文書くの昔から苦手だったわ。結局最後は面白かったしか言えない。

面白くは無いかもしれないけど、私もまたきっと何かは書きます。またよろしく、私。


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