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なにが正解かまだ分からない―2024年4月の北海道コンサドーレ札幌

 2024年4月のコンサドーレを振り返ってみる。僕が試合についてXでつぶやいた内容を小見出しごとに再編集してまとめたものだ。できれば今後毎月やりたいが、予定は未定である。


1.今月の結果

【J1リーグ】
4/3 vs名古屋グランパス(H)●1-2
4/6 vsガンバ大阪(H)○1-0
4/13 vsアルビレックス新潟(A)△1-1
4/20 vsサンフレッチェ広島(H)△1-1
4/27 vs湘南ベルマーレ(H)△3-3

→順位:20位(1勝4分5敗、勝ち点7、得失点差-11)

【ルヴァンカップ】
4/17 vsアスルクラロ沼津(A)○3-1
→3回戦進出

2.「降格しちゃう」と言うけれど

 僕は学生時代、テスト2週間前から「どうしよう……」と慌てたり不安になるタイプではなかった。絶望し始めるのはテスト前日や日付をこえてからだ。みなさんはどうだろうか。試験2週間前から自分が留年や赤点になると思って生きていくだろうか。

 学生の試験とサッカーは違うが、僕はそういう気持ちで「降格」というものに向き合っている。悲壮感をただよわすのはテスト前日、リーグ戦が残り3分の1ぐらいになったときにまだ最下位や降格圏内なら考えることにしようと思う。

 正直ミシャになってからのコンサはよく分からない。何かはまればよく分からんうちに勝ち点を積んで自力残留を決めていく。何をしてもダメなときは、SNSのタイムラインが終始どんよりするくらい散々な出来と結果の時期に突入する。なのに結局10~12位でシーズンが終わる。訳がわからない。

 広島戦の話。「今の広島に引き分け」という結果自体は本当に収穫だった。でも、その果実を得るために実力出し切ったぜって感覚にもなりにくかった。たぶん出し切ってないんじゃなくて、今の実力がこの試合で見せたレベルなのかもしれない。そう考えるとやはりしびれるシーズン。ヒリヒリするぜ。

3.ピッチに君臨する皇帝・宮澤裕樹

 名古屋戦、毎シーズンどこかしらで見ることができる「最高の宮澤裕樹」が札幌ドームに君臨していた。神戸戦後、吉原宏太さんがコラムで書いていた「J1の試合に出ることの意味」を一番理解していたのは宮澤選手だった。

札幌は借りてきた猫のような、気持ちが伝わらないプレーばかり。おじけづいてやるくらいなら辞めた方がいい。J1の試合に出ることの意味を、もっと重く考えてもらいたい。

【宏太’Sチェック】借りてきた猫のような気持ちが伝わらないプレーばかり…J1札幌の神戸戦(スポーツ報知)

 宏太さんは昨年、コンサへの思いをサッカーマガジンのインタビューで聞かれて「クラブがずっと北海道に存在し続けてくれたら、それでいいんです。あとはファン・サポーターの方々は長生きしてくれたらいい。」って答えた人。クラブが初めて1部リーグで戦ったときの一人。そんな人が「J1で試合に出る重み」を説くとは。

 ここで負けたらチームが終わってもおかしくなかったガンバ戦、キャプテンの宮澤選手がチームを救うのはもちろんうれしいしかっこいい。でもさ、キャプテンを後輩にゆずり、その新チームが窮地におちいったときに颯爽と現れてチームを救う彼はもっともっとかっこいいと思うんだ。「キャプテンが代わったからチームが悪くなったなんて、ゆずった俺が言わせないぞ」と。

 新潟戦をみていると、岡村選手か宮澤選手、あるいは両者が試合で及第点以上働きうるに耐えれないコンディションにおちいったときが今季のコンサの本当の正念場になる気がする。湘南戦でその懸念が現実になった。

4.僕が今季を「託したい」選手たち

 「サイドにボール振って1vs1にしてやったからお前行ってこい!」でどうにかできる選手は希少種。近藤選手はボールをもらうためのランニングがよいから「行ってこい」ではなく「共に行こう」式のボール運びで活きる。身体も強い選手。たくましい。湘南戦のヘディングゴールもうまかった。

 浅野選手のシャドー起用の鍵を握るのは近藤選手だろう。彼自身はもっと数人で連動して崩したそう。でもその崩しをするためにチームから信頼されるには、もっと一人でガンガン仕掛けて突破しないとコンサのWBとして認められない。そのジレンマにハマらないで出続けられるかがポイントな気がする。

 横浜FCサポから何度も「彼はやれる男ですよ」と言われていた。これまでを見る限り、間違いなく彼は「やれる男」だ。なんとか北海道で新しい景色を見せたい選手。これは引き抜いた側の責務……だとは思ってるんだけどさあ……。

 ガンバ戦、この窮地で決める宮澤選手はもちろん最高だとして、長谷川選手のやわらかく正確なアシストよ。チーム内での発言力が今一番増してほしい選手。スパチョーク選手や青木選手とは通じ合ってそう。アシストを振り返ったときの言葉も頼もしすぎる。

「パッと見た瞬間に、どこに人がいるかは分かるので。そこに正確なボールを入れることは練習からしてきたから」

J1札幌 MF宮沢裕樹のヘッドで今季初勝利…17年目のMr.コンサ「このために戦ってきて良かった」(スポーツ報知)

 沼津戦、原選手と田中克幸選手がフル出場したのが僕なりに一番の収穫。プレータイムが長くなった中でも個性を発揮出来たら本当の戦力になれる。家泉選手はリベロ起用に向けた右CBでちゃんと慣らせたし、木戸選手は来季が楽しみで仕方がない。

 家泉選手は湘南戦ですぐリベロ起用されるとは思わなかった。高すぎる授業料だったが「ポスト大八」として期待されているのは間違いない。

5.GKチームの「ヒリヒリする」魅力

 コンサのGKチームは「ここに入ってみたい」と思わせる何かがある気がする。来月40歳の菅野選手は未だに第一線だし、阿波加選手のようなキャリアの選手もいる。30半ばでも伸びしろを感じれるし、仮にコンサでうまく出れなくても別のクラブで活きる経験が身につく職場。セールスポイントだと思う。

 毎年コンササポは「もう年齢が年齢だし、さすがに今季はパフォーマンス落ちるかな」と頭によぎってしまう。その度に試合でめちゃくちゃ止めまくって「今季も最高や!」ってなるから菅野選手は偉大過ぎる。

 高木選手のような30代半ばで「ベテラン」と呼ばれるGKにも「若い頃みたいにヒリヒリするレギュラー争いしてえ」と思わせるところが菅野選手のすごく大きいところだ。後輩とチームのために経験を伝えるではなく、自分とチームのためにギラギラすることで後輩に刺激を与え続ける。最高の手本がコンサにはいるのだ。

6.三上GMの得意な土俵

 湘南戦の前日に開かれたオンラインミーティングに自分も参加し、三上GMに質問してみた。質問ってむずかしい。話してる間は時間を忘れてしまう。自分が陰で笑っていた「暴虐無人な勇者」になってないかすごく不安だ。時間をがっつりおした要因のひとつに自分がなってそうで本当に申し訳なかった。

 質問に際して、メモは軽く作った上で話をした。それくらいはしないと自分はまともにしゃべれないだろうから。それでも難しい。でも飲み屋でくだまくんじゃあるまいし、事前に聞きたいこと決まってるなら準備しない方が変だよなと思う。

 三上さんの話を聞くとコンササポに求められる一番の役割は「パートナーへの貢献」なんだと感じる。やっぱ本はコーチャンフォーで買ったほうがいいんだよなあ。大通の文教堂やジュンク堂の方が行くにはすこぶる楽だけど、地下鉄で行けるミュンヘン大橋店にできるだけ行きますか……。

 三上さんは、ラジオなどで不特定多数に向けて話すより「サポからのシュート練100本乱れ打ち」への対応が得意そうだった。事前通告なしの質問に対してすべてノータイムでよどみなく答えたのにはびっくりした。「あなたに向けて答えています」といった疑似的な1vs1のシチュエーションが三上さんの土俵なのかもしれない。

 そう考えると三上さんは政治家っぽい。ただ、仲良くしてるコンササポには「むしろ事務次官では?」と言われた。間をとって事務次官出身の政治家ということにしておこう。めざせ令和の池田勇人。

7.4月の試合から見えるミシャ体制あれこれ

 ミシャ解任論をタイムライン上で頻繁に見る。選手が総じて「俺たちが悪いのは分かっているし悔しいけど、この状況でミシャが切られて方針変わるのは仕方がない」と思える状況じゃないと、チームを良くするために切ったのに不協和音が強まるって可能性もあるだろう。良くも悪くもちょっとカリスマがすぎる。

 人員が揃っていなくても「今いるお前らでもできる!いつも通りやるぞ!」って送り出すのがミシャらしいし強みになることもある。でも新潟戦の大森退場からの失点を見てると、揃っていないならそれに応じたやり方で戦ってほしい気持ちはやはりあるよな。

 湘南戦を見て思うのは、3-0あたりから目を覚ました相手のプレスとカウンターをいなしてやり返せる余裕がないと残留圏内には及ばないということなんだろう。

 3-2に迫られてから選手たちは何を考えていたんだろう。気になる。守り切る気なのか。追加点を奪って突き放す気なのか。本当は守りたいけど監督が指示するから攻めるのか。みんな統一した意識でいるのか、まちまちなのか。

 先に書いたようにテスト2週間前から留年や赤点とかを考えないタイプなんで降格するとかはまだ思わない。ただ、もし今の方向性がクラブの思うやってる人も見てる人も「楽しいサッカー」なのだとしたら、僕とは「楽しい」の定義がきっとそもそも違うんだろうなあと思う。

8.COCONO SUSUKINOのラジオブース

 オフィシャルパートナーだから結構大きめの契約。COCONO SUSUKINOの1階にあるオープンラジオスタジオ「MID.α STUDIO」でコンサ関連のラジオ番組の公開放送とかやったらおもしろそうだなあ。

 こんなこと書いているが、単純に僕がラジオが好きでラジオブースでおしゃべりすることに憧れるという話なだけだ。

 なお早速コンサ関連だと、5/19の柏レイソル戦でYouTubeチャンネル「勝手にコンサドーレ!」が公開生配信をするそう。すごい。

9.参考資料

◎【宏太’Sチェック】借りてきた猫のような気持ちが伝わらないプレーばかり…J1札幌の神戸戦(スポーツ報知)

◎J1札幌 MF宮沢裕樹のヘッドで今季初勝利…17年目のMr.コンサ「このために戦ってきて良かった」(スポーツ報知)

◎三上GMとファン・サポーターの皆さまとの第2回オンラインミーティング要約

◎「COCONO SUSUKINO」様 2024シーズン オフィシャルパートナー新規決定のお知らせ

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