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印刷博物館「明治のメディア王 小川一眞と写真製版」展

明治時代に活躍した写真師・小川一眞(おがわかずまさ)の仕事に焦点を当てた展示。

久しぶりに印刷博物館にも訪れたが、行ったことがない学生さんとは一度来てみたい。近代史にもメディアにも関心がある人は常設展から必見だろうから(奇しくも、共通テストでも百万塔陀羅尼とか印刷史の問題が出題されたようであるし)。

さて、小川一眞である。
※「かずま」だと呼んでしまうことがあるが、本展示では「かずまさ」とルビが振られていた。

展示では、写真と石版印刷という新しい技術が日本にやってきてから、コロタイプ、網目版印刷などの技術の進展によって、印刷物に写真がどう取り入れられていくかが辿られていた。

美術品の記録のために『国華』の写真版やパリ万博に出品された日本美術史の図版にコロタイプ版が使われたことなど、美術史上でも重要な展示品が並ぶ。

濃尾大地震の被災地の風景や、衆議院議員の肖像など、写真が伝えたものの社会史的な意義にも目をみはった。

雑誌に写真を取り入れ始めた博文館の画期性も指摘されていた。

展示図録は印刷技術について詳しい解説を載せているのがうれしい。

会期は2月12日までだそうなので、メディア史に関心がある人で未見の人はぜひ。

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