HIT! 愛とケーキの革命家、滋賀の草間彌生が登場!

No.021
表紙写真・著作者 Jesse Clockwork


「私にとってケーキ作りはアートです。」

〜 苺のトルテ 〜


〜 白桃のトルテ 〜


〜 Pavlova 〜


〜 レアチーズケーキ 〜


〜 ジンジャーケーキ 〜


〜 オレンジブラウニー 〜


〜 カボチャのスパイスケーキ 〜


〜 バナナクランブルケーキ 〜




矢野佑起 (芸術家・画家・ケーキ職人)



もう何年も前から、近所で気になるアトリエがあることは分かっていた。
表札には「atelier N.o.A(アトリエール・ノア)」とあるけど、具体的にどういうスペースなのかは知らずにいた。町内ジョギングコースで、いつもこのお宅の前を僕は走りすぎていた。


去年、こんなチラシがうちに配られてきた。なるほど、あそこはケーキ屋さんだったのかと、その時初めて知った。母親に詳しく聞くと、ケーキ販売をしている矢野さんという方は僕と歳の近い女性で、絵も描いているそうだ。ためしにケーキ五種詰め合わせを1セット予約してみた。


atelier N.o.A は僕の家から徒歩1分なので、ケーキは直接受け取りにいった。アトリエの玄関には絵なども飾ってあり、矢野さんも独特の雰囲気で綺麗な方だった。ケーキも美味しかった。
 
あれから数ヶ月が経ち、お店のHPで新作のケーキ販売のお知らせがあった。チーズケーキを買うついでに、矢野さんにもう少し詳しくインタビューしてみようと思った。



「はじめは画家になろうなんて全然思っていなかった。」

矢野さんの絵画作品、これで約5万円くらい。素材は紙にアクリルなど。


これはかなり大きな作品、価格は20万円ほどらしい。


尊敬するアーティストは草間彌生、確かにそのテイストがある。


矢野佑起さんは神戸芸術工科大学を中退後、東京に上京する。文化服装学院アパレルデザイン科に入学するがこれも途中で退学。また、その時期に結婚する。1年ほど帽子店に勤めていたけど、一般受けしないデザインであったので販売には繋がらなかった。離婚してからは食い扶持のために東京電力のテレアポや洋服店の販売員をしていた。オランダのプロダクトデザインが好きだったので、渡航費を貯めようと銀座でホステスをしたり、中央線沿いにあるキャバクラを2軒掛け持ちした。しかしビザを取得することが出来ず、滋賀に帰郷することになる。

「滋賀に戻ってきて、でもこんな田舎でどうしたら良いんだろう!と悩みました。ある日、自分は芸術家だと気付き、趣味でずっと描いていた絵を本格的にやろうと決めました。京都で初個展を開催し、順調なスタートが切れたんです。」

初期の矢野さんの絵は、目や手のモティーフが露骨に現れ、お客さんからは怖い怖いと評判が悪かったそうだ。「私のテーマはずっと同じで『愛』なんですよ。最近の作品は綺麗だと言われますけどね。エロスとタナトスは裏表の関係なので、同じ『愛』がテーマでも初期作は、愛の裏側にある恐れなどが出てしまったのかもしれません、とにかく若い頃はそういう時代でした。


ケーキつくりは趣味で中学時代からやっており、学校に持ち込んで先生に怒られたこともあったそうだ。結婚した当初、旦那が吉祥寺でカフェをオープンした。ケーキを焼いてくれと頼まれ、毎日違うケーキを焼き続けた。ケーキは全て独学、その時期に徹底的に研究した。お店自体は1年で閉めてしまったのだけど、その後も常連のお客さんからケーキの問い合わせはあった。

滋賀に帰郷した時、矢野さんはまたケーキをやろうと考えた。しかし性格的に店でお客さんを待つのが嫌、そもそも店舗を持つと家賃が掛かる! そこで矢野さんは車での移動販売を思いつく(↑画像参照)なんと近所を1軒ずつインターホンを押して回ったのだ。「すいません、ケーキを売っているのですが、、、」しかし気持ち悪がられて誰も家から出てきてくれない、120個も作ったのにどうしよう、、、


ピンポ〜ン

「あの、向陽町の矢野です、、、」


インターホンに向かって、それだけいってみた。とりあえず町内の人だと思い、家から出てきてくれる。「これは心理作戦よ! そこで初めてお客さんとケーキの販売交渉をするの。

戸惑われたりもしたが、ケーキの見た目が綺麗だし、一口サイズで安いので皆買ってくれた。口コミは直ぐに広がり、一番忙しかった時はオーブン回しっぱなしで一日に300個作った。売上はグングン伸びたけど、これでは寝る時間もない、倒れてしまう。そこで矢野さんは移動販売を辞め、ホールサイズの予約販売に切り替えた。「180円の一口ケーキを、2〜3千円のホールケーキだけの販売にしちゃったから、それで買わなくなったお客さんもいました。でも初めから、いずれはこのスタイルにするつもりだったので後悔はありませんよ。

「一日3時間しか働かないと決めています。」

ケーキは予約があった分のみ、午前中にすべて作ってしまう。自分がその日につくれる量以上は、基本的に受け付けない。午後は自分の自由な時間、好きなように過ごすのが矢野さんのスタイル。

「絵画は高級品だから、もっと食事という身近な営みの中に私のケーキを届けたかった。ケーキは日常の中のちょっとした贅沢品なんですね。私にとってケーキはアート、もっといえば『世直し』なんですよ。私のケーキは丸いホールだから、それを家族や恋人とか、大切な人達と囲いシェアする。見た目が綺麗だし、ケーキを囲んで色んな会話が生まれますよね、食べたら美味しいし、みんな幸せになれると思いました。

「将来のことですが、私が持ってないこと、私ができないことをしている人達と一緒に組んで、何か新しいことがやりたいです。一番の親友でミュージシャンの男の子がいるんだけど、彼も世の中を変えたくて音楽をやっているのね、世直しですね。もうちょっと私が馬鹿だったら政治家をやってたかもしれない。とにかく、これをやらないと世の中は変わらないんだ!っていう意識を持った人達を集めてひとつのことをやるのね、だから皆で爆弾を作っているみたいなものです。」

爆弾!? 愛のバクダン??

とにかくぶっ飛んだ発言の数々で驚愕のインタビューでした。
愛と自由を追い求め続ける矢野佑起さん、今後の活動にも注目したい。

矢野さんのケーキを食べてみたい人、全国どこへでも発送できます↓
atelier N.o.A(アトリエール・ノア)HP http://www.369432.com/




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笹山直規

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