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ミントの狂気じみた生命力

実家を出てから、草花を自ら家に飾るようになりました。
はや7年。気づけばシーズンごとに楽しみな花ができ、今では道端の草花にも足を止めてうっとりと眺めるように。母がよくしていた行動なのですが、まさか同じようなおば・・・人間になるとは。脈々と受け継がれる遺伝子?

花に話しかけるおばさんへの進化は現在進行形なのですが
ここでこれまでの総括として、私の思う、草花の性格のようなもの、について書いてみたいと思います。特に専門的な知識は得られません!

たんぽぽ 
切り株のような野趣あふれる花器にはたんぽぽのような雑草族が合うのでは?と、ある日道端でちぎってきました。速攻枯れてしまったものの、うっすらと期待して放置・・・結果しっかりメタモルフォーズしてくれました。最後の生命力を爆発させて綿毛に・・・!ミラクル・・・!自由研究をしているかのようなワクワク感をくれるミラクルさんです。

ガーベラ 
昔は全然好きではなかったのですが、「元気さ」の価値を身にしみて感じるようになってから惹かれ始めました。パッとしていて、元気!!が、唐突に下をむいて折れる場合があるので、そういった姿に「頑張りすぎ」の闇を感じることもできます。自分が疲れていることに気づこうね。

芍薬 
大女優のように気分で?花開かない時が多々あり、振り回されることやまの如し。それでも咲いたときのゴージャスな姿と香りに首ったけという感じで、いつも3月頃からそわそわと想っています。エリカ素敵だよ・・・花開かなくても水切りはさぼらないよ・・・。

木蓮
1月の初旬に購入して、約1ヶ月かけて立春と共に(!)花開きました。これはめちゃくちゃ感動した体験です。枝振りが良いね、佇まいを楽しもうぜ、と自分に言い聞かせ、2週間も過ぎる頃には花を拝むことを半ば諦めていたのですが、ちゃんと季節の進みに合わせエネルギーを爆発させるように全ての蕾を咲かせてくれました。冬の寒さから身を守るため毛皮のコートのようなもので花芽を守っていて、それを徐々に脱ぎ捨てていく感じもめちゃ面白くて堪りませんでした。図らずも描写が変態的に・・・。控えめで、透明感のある香りもとても素敵な、口数少なめな美人です。

チューリップ
比較的寒い時期に春の第一陣として花屋に並ぶチューリップ。コートと白い息、片手にはチューリップ。色の少ない冬の中に春を挿すような感覚になり、気分が高揚して帰り道をいく足取りがめちゃ弾みます。美しい造形は勿論のこと、春の空気を含みながら開いたり閉じたり、段々と丸く緩んで朽ちていく健気な感じも愛しています。好きすぎて愛し方がそこそこイビツ。

ポピー 
春の陽気に従順で、唐突に花火のように鮮やかに弾け咲きます。あんな地味で毛深い蕾だったのにそんなんなる!?というギャップが激しい花。早いと2月くらいに店頭に出ていたりするので、暖房の効いた部屋の中で咲かせるのもありです。外は白い雪、家の中には鮮やかなポピーというコントラストの効いた状況を演出できると、なんだかよくわからないけど私の中の何かが騒ぎます。(なに?)

紫陽花
小さい頃からよく見ていたはずなのに、ある日、なぜかとても可愛く思える瞬間が訪れませんか、紫陽花って。私の場合は、咲く前の小さな花芽をふと見かけて、「おおおお、そんな小さなブロッコリーのような姿からあのようなぽってりとした形状に・・・!?」と感動したのがきっかけです。すごくないですか?面影がほとんどないところから・・・めちゃデカくなるね!?なんというパワー。今では毎年見るのを楽しみにしている馴染みの紫陽花もできまして、梅雨時期の鬱を晴らしてくれるありがたい存在です。ちなみに紫陽花の花びらに見える部分はガクなんだそうですよ、花自体は真ん中の小さい粒みたいな部分。紛れもなく植物のしたたかな生存戦略を感じますよね。山田孝之のあの番組超面白いですよね。

↑左に伸びている葉っぱ部分

ミント
タイトルの話をいつするかというと、ここでします。確か2019秋に貰った誕生日祝いのブーケに入っていました。他の草花が次々と朽ちていくなかで、ミントだけなぜだかいつまでもピンピンしていまして。何事かと思ってよく見てみたら瓶の中にみっちりと根を伸ばして、もはや成長しているではありませんか・・・!!ミントはやべえ、という記事をどこかで読んだこと、昔仕事で伺ったお宅の庭がミントに埋もれていたことを急激に思い出しました。その恐るべき繁殖スピードから、巷ではミントテロと呼ばれているとか。地面には決して植えることなかれ。ただ瓶に入れてキッチンに置く分には良い感じです。お皿洗いなんかしていると、時たまあの爽やかな歯磨き粉のような香りがふわりと漂います。歯磨き粉の香り即ちミントなんですけど。冬は枯れ葉を落とし、主な構成要素、茎、みたいになったのですが、2020春を迎えて最近では花も咲かせました。狂気を感じるほどの生命力なので、可愛い〜というより、怖っ!となりがちですが、通年でその変化の過程を見られるのはかなり面白いです。今まで書いてきた草花たちがうちを彩り、退場していく中、頑なに生き続けるミント。たまに水は変えるんで、これからも貪欲によろしく。(雑)

他にも思い出深い草花との邂逅があるのですが、いったんここで〆ます。
振り返ってみると、私はその美しさというより、変化を観察することに楽しみを覚えているな・・・と思い知ります。着実に、無言で、目に見えて変化していく草花を見るのが面白くて大好きです。栄枯LOVE。好きすぎてもはやグッズも作りました(唐突に営業)。別になくても困るものではないのですが、確実に私の栄養になっていると感じる草花との毎日。そしていずれは花に話しかける婆さんに。死ぬまで続けたいと思います。←ピリオド重。

霜降り明星のような文章にお付き合い頂いた奇特な方、もしおりましたら、ありがとうございます。また書きます。


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