おれは無関心なあなたを傷つけたい

おれは無関心なあなたを傷つけたい
                 
                     村本大輔
 今回私が読んだ本はお笑い芸人ウーマンラッシュアワー村本さんが著者の
『おれは無関心なあなたを傷つけたい』である。
 
 なぜこの本を読もうと思ったかというと、ネットニュースで村本さんの記事を見つけた時にそういえばウーマンラッシュアワーを最近テレビで観てないなとふと思い調べてみた。すると現在テレビからは退いて朝鮮学校や原発、沖縄基地などの社会問題について取り組んでいることを知ったからである。そしてこの本が発売されていることを知ってすぐに購入して読ませていただいたのでその感想をここに記したい。

【私たちはリアルを知らない】
 
私が思うにこの本を通して村本さんが伝えたかった事は、私たちは現場のリアルを全く知らない中で物事に意見を言っていることが問題であると伝えたかったのだと思う。例えば原発問題のニュースを私たちは見て原発に対してあれこれ意見を簡単に言うはするが、その地域に住んでいる人たちのことをちゃんと見て発言しているのだろうか。ただ何となくそう言った方が受けが良いとかそんなん考えで発言しているのではないだろうか。朝鮮学校の問題もそうである。朝鮮学校の人は授業料が無償化されていないから親御さんは昼夜働いて子供たちを学校に行かせている。なのに朝鮮人という括りだけで悪い言葉を投げかける人たちもいるのだ。そんな無責任に発言をしている私たちに向けてこの本は警告をくれている。結局無責任というかその問題に対して無関心な人たちが多すぎるのである。私自身もそうであり、ニュースを見ればその瞬間は何かを思うが10分もしたら忘れてしまう、この本の無関心なあなたに当てはまる一人である。
 この本を読み私が無関心な問題はたくさんあった。そして今この事を知って、ではどうするのか、そこが重要でただ読んだだけで終わるのか自分なりの行動を起こすのか、起こさなければ無関心なままである。ちゃんと考えて変えていきたい。

【スタンドアップコメディで発信を】
 
 もう一つこの本で重要な部分は村本さんが今後この社会問題をお笑いを通して発信していこうとしているスタンドアップコメディである。
 スタンドアップコメディは欧米のお笑いスタイルで意見を大事にするお笑いである。日本のお笑いはこんなふうに意見を持つ事はほぼない、それはなぜなのか、一つは大衆受けしないのと、もう一つはその意見に対しての責任を持つことができないからであると思う。
 責任を持つことができないというのは、意見を述べる事はその問題に対して関心がないとできないし、その問題に直面している人たちを背負って発信していかなくてはならないからである。だからこそこのスタンドアップコメディを今日本で起こっている社会問題をつないで発信していく方法は村本さんだからこそできる事だと思う。
 村本さんはお笑い芸人として、知名度もある中で朝鮮学校にも行き、原発にも行き、沖縄基地にも行き、生の声を聞いている。そんな人がスタンドアップコメディで問題に直面している人達の意見スタンドアップコメディに取り入れれば、日本のお笑いの新しい風となる。


 

 では私たちはそれを傍観していれば良いのか、それではいけない。自分なりにできる事はあるはずだ。それを探していく、無関心なままではいけない。そう強く思わせてもらった本であった。
この本は社会問題について語っていながらお笑い要素もあり、とても読みやすく描いてあったので是非沢山の人に読んでいただきたい。

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