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LDK、20畳は絶対?(東京⇄岐阜の遠距離婚夫婦、家を買う#6)

ハウスメーカー2社との相談から2週間後、再びそれぞれの間取り提案を見せてもらう日が来た。

まだ夫婦で推しが割れている状況で、ハウスメーカーは決めきれていない。そのため、今回は前回のように最高の間取りを出してもらうぞ!という意気込みよりも、会話を通してハウスメーカーを絞り込んでいきたい想いが強かった。
私たちの意見をどう受け止めて、プロの仕事に取り込んでくれるのか。言いたいことを言える関係になれそうか。一生住む家を共に作るパートナーには、そういったものも求めていた。


まず私が推すA社。
初回の間取り提案では壁一面の本棚やおしゃれなキッチンで私たちをときめかせてくれたが、2Fにウォークインクローゼットを持ってくるなど、なかなかハードな提案も織り交ぜられていた。

1Fで乾燥させた洗濯物を毎日のように2Fまで持っていくというのか!?
誰が?洗濯担当の旦那が?在宅勤務の私が?どっちも嫌だ。
新築のときめきは持って数年だが、洗濯は自分が生きている限り続く。

「LDKが狭くなってもいいので、クローゼットは1Fにしてください。洗濯物を抱えて階段を上がるのはしんどすぎます」


30坪の家に20畳のLDKを詰め込んでくれたA社には申し訳ないが、我が家には家事の手間を増やしてまで広いLDKに住みたい人間はいなかった。

「おしゃれは我慢」という言葉はファッションだけではなくて、家にも通ずる言葉だったのだ。
世の中には、LDKは絶対に20畳以上!というこだわりを持って、毎日洗濯物を2Fまで運んだり水回りを2Fに作る家庭もあるだろう。

しかし「そこまでするならLDKは小さめでいいよ」と言ってしまうのが私たち夫婦である。
今だって180cmのソファでくっついてYouTubeを観ているが、特に不満はない。リビングの横幅が90cmや180cm伸びたところで、その空間にはホコリと猫の毛が舞うだけである。

そもそも立地重視で30坪の家しか建てられない土地を第一候補にしながら、20畳のLDKを望むのはズレているのだ。
ここは「家事を楽にしたい」という、家を建てる目的の一つに立ち帰ろう。ということで、広々LDKを提案してくれたA社には申し訳ないが、ウォークインクローゼットは1Fに下ろしてもらった。

恐らく多数派の要望とはちょっとずれてしまうし、A社としても不安が残る変更になるだろう。しかし、こういう時も「わかりました!」の一言で済むのがありがたい。言いたいことをサラッと伝えさせてくれる空気、その土台にある「ひとまず受け止めてもらえるだろう」という安心感。
これは営業さんとの相性もあるだろうが、すでにA社の魅力の一つとなっている。

A社ならきっといい感じにウォークインクローゼットを1Fの間取りに落とし込んでくれるだろう。


間取りの方向性がまとまりつつあるA社の後は、旦那が推すB社だ。
B社の担当者を思い出して、打ち合わせが始まる前からもう気が重い。大逆転なるか?B社。

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