見出し画像

日記:すべての遅刻を煮詰めたような(2024/02/14(水))

あぁ、ダメだ。もう遅刻だ。
8時を少し回った時計を見た瞬間そう思った。母が横でなにか言っているが、よく聞こえない。

何時に家を出れば間に合うんだっけ?そもそも何時に着けばいいんだっけ。どこに?高校に?

高校?高校は卒業したよ。大学へ行くんじゃないのか。何限から?待てよ。会社か。会社なら10時だ。あれ、それは前の会社?いまは家で働いているはず。じゃあ一体どこへ……。


ぐんぐんと目の前に迫っていた時計は、気づいたら枕元のテーブルに収まっていた。針は8時少し過ぎを指し、部屋は驚くほどしずかで暖かい。動悸が止まらず、しばらく横になったまま時計を見つめた。

人生で遅刻した瞬間すべての絶望感を煮詰めたような夢だった。午前からめまいが止まらず、午後の仕事は休んだ。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?