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【一人読み】遠距離

性別不問 人称変更可 語尾変更可

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遠距離恋愛で一番嫌いな事は。
会いたいときにあなたに会えない事。

強がるんじゃなくて素直になれば良かった。
嘘じゃなくて本音を伝えればよかった。
黙るんじゃなくて言葉にすればよかった。
もっと話したかった。
もっと会いたかった。
もっと抱きしめたかった。

好きで好きで堪らなかったのに。
沢山の言葉を飲み込んだ。
そんな言葉が心に積もっていき。
そしていつの間にか溢れ出していく。

あなたと初めて大喧嘩をした。
あの日は私の誕生日で。
会えることが楽しみだったのに。
あなたに急な仕事が入って当日は会えなかった。
私は拗ねて「私より仕事が好きなんでしょ!!」と言葉をぶつけた。
あなたは「君が大切だから、守るために仕事をしている」って話してくれたけど…。
子どもな私には分からずあなたを困らせた。
それから溝が広がり…。
いつしかあなたからの連絡も減っていった。
近くにあなたがいたら何か変わっていたのかもしれない。

あなたからの最後の言葉は「ごめん。楽しかったよ」だった。
そしてあなたの最後の姿は穏やかな姿だった。
どうして…。
周りは変わっていくのに。
私の時間が止まっている。

失ってから気づく『大切さ』がある。
後ろを振り返れば後悔しかなくて。
ずっとあなたが大好きだった。
なににも代えられない程に大好きだった。
何度生まれ変わっても。
あなたを好きになる自信があった。
人を本気で好きになれた。
そんな些細な事が私の誇りになった。
大切な記憶を抱きしめたまま私は生きていく。

おわり

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手に取って頂きありがとうございます。
とても短い小説になります。
拙い文字たちですが可愛がってくださると嬉しいです。

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