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【映画レビュー】流行りもの嫌いで見逃すのは絶対もったいない大ヒットも納得の大傑作映画『君の名は。』の感想

※この記事は2016年にアメーバブログで投稿した記事の再編集版として無料公開しております。
https://ameblo.jp/nejimakikoibumi/entry-12201988505.html

結局ながながとブログ更新をお休みしてしまいました。すいません。
その分、鑑賞してきた最近の映画の感想をガッツリ書いて参ります。

……というわけで社会現象にもなっている本作の感想から。

『君の名は。』のざっくりとした感想

『君の名は。』を観てきました。

君の名は。
制作年:2016年 / 制作国:日本
107分 / コミックス・ウェーブ・フィルム制作
監督:新海誠

https://eiga.com/movie/83796/

現時点で興行収入90億に及び、ジブリ意外のアニメ映画としては歴史的数字とも言える100億円という大台が見えてくるほどの大ヒット映画。夏休み映画としてもぶっちぎりの成績で、今年最大の興行収入作品はほぼ確定的となってきました。

見てきた感想をひとことで言えば……

すっげぇ面白い!
……けど着地は新海誠(真顔)。

激アツリーチかかった新海監督が、最後の最後で急に素に戻ったような映画でした。

もうちょっと詳しい感想を書いていきます。


そんな展開!?驚きの興行収入推移と同じく驚きのストーリー!

面白い!
本当に面白い!!
新海誠監督の作品ではぶっちぎりで面白い!
……そう思える映画でした。

予告編や前情報を見る分には「おれがあいつであいつがおれで」的な話なんだろうなぁ、とぼんやり思っていまして、確かに中盤までそういう映画として“も”すっごく楽しいのですが、やっぱり問題はその先。

中盤からの『えっそういう映画なの!?』という展開に面食らいました。

意味深な流星もメタファー的扱いじゃなくて、物語上の役割が分かる作りになってるので、ぼんやり映画を警戒してる人も安心だよ。

今までの映画でもスケールとか世界観とか雰囲気とか、それぞれで良い悪いは感じてきましたが、今作はそれらともひと段階グレードが上と思える新海監督の集大成と言える出来。大ヒットも納得の厚みのある一作でした。

……とはいえ100億……いや50億規模の成績はやっぱりびっくり。

こんなに大ヒットになるなんてガッツリアニメ映画見ている人ほど驚くと思います。ここまで来ると過大評価しすぎ、という人も出てくるだろうけど、それはそれで違うと思っていて、やっぱりそれぐらい語りがいがある中身のつまった映画だと思いました。

この記事ではあえて“ネタバレなし”でいこうと思っているので、中盤のとある出来事には具体的に触れませんが、“そういうなにかがある”想定外な映画なのですよ。

中盤以降の思わぬ展開に驚愕!語りがいのあるテーマ!


入れ替わり映画としての爽快感!

キーポイントの中盤の出来事を避けて、感想を書けるのかよ・・・ってこともあるんだけどこの映画、全然書けちゃうんですよ。

なぜなら、見に来た多くの人が事前情報で手に入れているであろうし、しょっぱなから体験する瀧君と三葉ちゃんの入れ替わり劇がすっごく楽しい!!

(C)2016「君の名は。」製作委員会

出来事として、すっかり手垢の着いた展開でもあるんですが、男女との違いの差だけでなく、都会と田舎の差や二人の性格の違い、二人のできる事とできない事の差から生まれるドラマが、見ていてしっかり気持ちいいのです。

こっちで難なくこなしていたことに四苦八苦してみたり、こっちでこじれていた何かがうまく通ったり、そんな出来事の集まりとしてトータルでしっかり“楽しく”描けているのだからこの部分だけでもすでに見事な映画だと思いました。

この“楽しい”はやっぱり入れ替わりっぱなしじゃないって仕組みがうまく効いてるんだろうけど、ホントよくできてます。しかも、この“楽しい”という感覚が尚更、後半の展開でしっかり楽しい思い出としてじわじわ効いてくるのだからそこも見事。

後半への伏線もたっぷり詰まってるし、中盤前のここだけでもやっぱり見どころ盛りだくさんなのです。

入れ替わり劇がちゃんと楽しい!ちゃんと気持ちいい!


100点100点100点!からの真顔の新海誠着地。

で、入れ替わり劇から、衝撃な展開を迎え、すっごいスケール感に物語が発展していきます。

随所随所で賛否両論も納得の、展開や見せ方もあるんだけど、私はすっごく肯定的に見ていて、すっごく楽しく、そして熱い気持ちで見ていました。全編展開は違えどすっごく楽しいのです。

ただ、ラストを除いては。

あれだけ熱くも情熱的で楽しかった展開から一変、「秒速5センチメートル」的なダウナーな雰囲気になってびっくり!

「秒速5センチメートル」のラストは人を選ぶと思う。

え!?そっち持ってくの!?という気持ち
そうだった!これは新海誠監督の作品だった!という気付きで複雑な気持ちにさせられてしまいました。

そこまでの展開がワタシ的にすっごく親指立ちまくりの展開だったので、この予想外に暗めな方向転換をしようとしている終盤には、「台無しだけは勘弁してくれ・・・台無しだけは勘弁してくれ……」と悪いハラハラを感じながら見ていました。

結果としては、ギリ綺麗で清々しさのあるまとまりとも思えなくもない良くも悪くも新海誠監督らしさのある着地!でまぁひと安心。

あの展開にするなら、向こうの存在をもっと明確化にするシーンが必要だとか、いろいろ言いたくなるんだけど、あそこまで楽しいもの見せてくれたなら、そこまで攻めるのはうるさいかなとも思うし、新海誠監督印がついてると思えばまぁ許せるかな……ってぐらいの按配。

とにかく、
私としては最後まで100点と思いきれなかったのが、非常に残念な一作でもありました。時間が経てば、この着地も愛おしく思えるのかな?

着地にヒヤヒヤさせられたけど、なんとか一安心。


まとめ

●序盤の入れ替わり劇は楽しく気持ちがいい。
●中盤からの深みのあるテーマが語りがいあり。
●結末はヒヤヒヤさせられました。

TVアニメっぽいオープニングを挟んだり、RADWIMPSのMV映画でもあったり、さらには3.11震災後時代の映画などといろんな切り口での見方が見れる映画で、この記事ひとつでは語りきれないぐらい大ヒットの価値がある映画だと思いました。

まだまだしばらくは映画館で見れるはずなので、時代の目撃者としてしっかり映画館で見てきて欲しい映画です。流行り嫌いで、変に見ないでおくのはもったいないですよ!!結構なレベルでオススメです!


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