【J1第2節】鹿島VS川崎プレビュー ガンバ戦から今季の鹿島を読み解く

鹿島にとってさっそくやってきた大一番第2節であり、ホーム開幕戦でもある川崎戦を前に第1節ガンバ戦を振り返る。
今節の予習に活用してください!

川崎の3連覇阻止を掲げ、大きく体制を変えた今季。プレシーズンの茨城ダービーに敗れたことで、サポーターは不安を募らせていた。
しかし、第1節ガンバ戦は1-3でアウェイのアントラーズ勝利となる。
久しぶりの開幕勝ち点3を手にした鹿島。
いかにして、鹿島は勝利を得たのか?
ここでは、パトリック退場(37分)までに見えた今季アントラーズの大まかな形について確認していく。

まず、立ち上がり。攻勢に出たのはホームのG大阪。
とりあえずは、G大阪は3-4-3で入り、鹿島は4-4-2で構える形。
キックオフのボールを3CB中央の昌子に預けて、ロングボール。(鹿島は2CFの一角、上田がプレスを行う。)
右サイドを駆け上がるパトリックを狙ったボールだった。
G大阪は、サイドに流れたパトリックへのロングボールを一つの狙いにしていた。
鹿島は、ピトゥカがカットするが樋口で回収できず。

G大阪は、今度は左HVの柳澤から左ウイングの石毛にロングボール。(ここでも鹿島は上田がプレス。)
こぼれを宇佐美が拾って、ドリブルでポケットまで侵入して折り返した。
鹿島はニアで関川がクリア。
ファーに詰めていたパトリックは安西がケアしていた。
G大阪のボックス内の人数は足りていなかったが、ヒヤリとした場面。

その後も中盤4枚でG大阪は高い位置でボールを回収。2次攻撃、3次攻撃を行った。
右HVの高尾は機を見ていい上がりを見せ、右WB小野瀬との連携で鹿島の左サイドを脅かした。
0:40の場面でも、高尾のいい上がりでG大阪は右からのコーナーキックを獲得。

コーナーを鹿島がニアでクリアしたあとも、G大阪が回収。
一方、鹿島はすばやくラインを上げた。流れのなかで安西と荒木がうまくコースを限定。
前に出てサポートしにきたGK石川まで荒木がプレッシングを行い、ロングボールを蹴らせて鹿島がスンテで回収した。

・3CBからウィングポジションにロングボール、トップ下気味の宇佐美と中盤4枚で回収して前進。
・機を見てHVが上がり、WBとのコンビネーションでサイドを攻略。

立ち上がりのG大阪の狙いはこんな感じに見えた。
鹿島としてはここで失点しなくてよかった。

一方、鹿島の攻撃。
1:36の場面から。スンテは左CBの関川にスロー。
ビルドアップしていこう!という意志が感じられていいね。
流れのなかだけかもしれないが、ボランチのピトゥカが左に降りて前進をサポート。
中央で降りてボールを受けに行った樋口にG大阪のボランチ、チュ・セジョンがついていった。
樋口が空けたスペースにピトゥカが入り、サイドハーフ2枚(荒木・土居)が中央に寄ってセンターで数的優位。
G大阪ボランチは倉田1枚になり、一時的に3対1の数的優位だ。
これで関川からリターンを受けたスンテが鈴木優磨にロングボール。
中盤で回収できれば一気にチャンスの準備されたビルドアップ。

結果的に鈴木のところでは収まらなかったが、関川で再び回収。
ハーフスペースで荒木がボールを受けて、安定のターン。
G大阪のWBをワイドレーンで安西が引きつければ、ボランチのチュ・セジョンと距離が生まれて、ハーフスペースで荒木が前を向ける。
タロウくんなら、相手が結構近くても十分ターンできる。
これが左からの鹿島の狙いに見えた。

荒木から引きとった安西が上田へ浮き球。
上田の落としを鈴木がひろって、右の土居に展開。上がってきた常本と被ったが何とかクロスを上げて、鈴木がシュート。
跳ね返りを拾った土居が中央に入ってきた荒木にピンポイントでクロスを上げて、荒木のボレー。
惜しかった。
石川のセーブを褒めよう。結果的に、G大阪のGK石川のセーブがなければ、5点くらいは入っていたんじゃないか、という試合だった。

両チーム攻め合って、ここでひとまず試合は落ち着いた感じ。
お互いの意図が垣間見える立ち上がりになった。
鹿島は、相手ビルドアップに対しては、鈴木がボランチの1枚(チュ・セジョン)を消して、上田がボールホルダーに猛プレスをかけた。
後ろ3枚のはずだが、上田が猛然と2度追い、3度追いしたことで、G大阪はパトリック目がけたロングボールが多くなった。
全体的にG大阪はうまく前進できず、鹿島のプレスにはまることも多かった。鹿島の2点目はまさしく狙い通りの形と言えるだろう。

水戸との敗戦を払拭するような会心の出来を見せた鹿島アントラーズ。
第2節川崎フロンターレとの大一番はどのような戦いを見せてくれるだろうか。


よろしければサポートお願いいたします。今後記事を作成していくうえで大変励みになります! いただいたサポートは、今後さらに良い記事を書くために活かしていきます。よろしくお願いいたします!