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限りなく本当に近い車の免許を取る話~1講習目~車の免許は取れない?~

「終わった……」

免許センターで最後の筆記試験を受け、合格後に写真撮影ののち、真新しい免許証を受け取ってしばらくぼんやりと私はそれを眺めていた。

「これが、免許証……。てか、ひどい顔……」

免許証の撮影時間は恐ろしく短い。座った瞬間にシャッターを切られるといっても過言ではないのである。後でネットで調べたら、座る前から顔を作らなければならなかったらしい。

って、撮る前に知りたかった~!

まあ知ってたからと言って綺麗に撮れるとは限らないけど……。なんともいえない微妙な表情をした自分の写真を見て少し笑った。でも、すごくホッとしている自分がいた。私の場合、免許を取れた嬉しさよりもやっと終わったという安堵感が強かったのだ。

これのために私は約半年も苦労したのかと思うと非常に複雑な気分になる。まるで戦に出て勝利したが、仲間をたくさん失ってしまった戦士のような気分に近い感情だった。この一枚のカードを手に入れるためにどれだけの涙と諭吉を失ったのだろう。こういうのをピュロスの勝利とでも言うべきなのか……。

これは抹茶Pが実際に体験した車の免許を取るまでの限りなく本当に近い記録である。

***

小さい頃からゴーカートが好きだった。

だけど私は……

「あれ?動かない?」

よくカーブを曲がりきれずに角にぶつかっていた。

ゴーカートに乗ったことがある人はわかると思うが、このマシンはバックができない。できるものもあるかもしれないが、少なくとも私が今まで乗ってきたものにはそのような機能はなかった。すなわち、角にぶつかってしまったが最後、身動きがとれなくなってしまうのである。というわけで、一度ゴーカートから降りて向きを変えなければならなかった。そこまで重いわけでもなく、作業的に難しいことはない。しかし、この作業、後ろから走ってくる人に見られると地味に恥ずかしいという難点があった。

そういうことが起こるたびに、やっぱり私には運転のセンスないんだなと再認識をし、いつしかゴーカート自体からも足が遠のいてしまったのである。

こんなゴーカートもろくに運転できなかった私が車の運転なんて一生縁のないことだと思って今まで過ごしてきたのは言うまでもない。

そんな私に転機が訪れたのはそう思ってからずーっと先の社会人になってその会社を辞める時まで進む……。

つづく。。。

☆今回のポイント☆

免許証の撮影は椅子に座る前から表情を作る!


創作サークル『ねこなみですが?』のnoteアカウントです。ボイスドラマ、動画、ラジオ、BGM、ハンドメイド、小説、ゲームなど、色々やっていこうと思っています!