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物思う人の問ふまで。

脆弱で惰弱で凡庸で平均的な君へ。
文才もなく特化もなく水平線のように穏やかでしかし面白みのない非才な僕へ。
文学とはストーリーテラーのみに非ずと気付きはしたものの、自分が突きつめたい道がStorytelling上にあるのだと思い悩む日々が続く。
技法は、足りているか。技能は、極まったか。あれを読むべきかこれを読むべきか、いや時間はあれど今長期的将来的なことに手をつけたくはないと、悩む感情と矛盾した行動を取る大学生の僕よ。
実に文学的在り方ではないか。
矛盾の葛藤こそ主人公たりうる素質であるし、こうして文字に起こし内面を記録する私こそが、信奉するところの太宰坂口らの文学への手がかり掴みし者なのだ。
専ら世間の近しい人達は、わかった気になって分かりづらい文章を書いて、理解されずに相手のせいにする愚か者であったり、指向性のない伝わらないエモを滔々と説く人間であったり、口あたりだけよい語を並べた意味のわからない詩文作者であったりする。そうした人間が偉いことがあろうか。考えることが好きなだけの人間が数多くいる中で居心地の悪さを感じるのは、私にとっての文学は内情の発露に他ならないからである。
考えて、組み立てて、それでいて相手に伝わるか分からないなんて面白いか。それなら僕は自分の内面不安心配怒気葛藤を文字に殴りつけ込めて、人物を浮き立たせる。
人は見た事がないものは軽薄にしか書けぬ。したことのない会話は現実味がなく盛り上がらぬ。
リアルを蓄積せよ。嫌いを嫌いと言え。
好きなものはとことん好きでいろ。
わかったような顔をする自称先人を、一瞬でも好きになるな。

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