はじめまして。

この記事は、私が心の中の暗いものを吐き出したくて書いたものです。読むのは自己責任でお願いします。誰にも言えないまま、一人で泣くことに疲れてしまいました。

私は、認知症専門の病棟で働く看護師3年目の25歳です。今年の春で4年目になります。

もともとは先天性の発達障害や双極性障害などの比較的若い世代の方を看護する精神科看護師を志望していました。

しかし、新卒で配属されたのは精神科は精神科でも、認知症の患者のみを受け入れている認知症専門の病棟でした。

平均年齢は75歳を超えています。他の病院や施設では受け入れらないほど不穏や暴力行為があり、何度も警察のお世話になって、家族にも見放された人が多く集まっています。

看護師は患者の代弁者です。

患者さんの不安や孤独に寄り添い、その方の人間らしさ、生きがいが保たれるようにサポートすることを役割の一つとして持っていると思っています。

私が精神科看護師を目指したのは、看護学生時代に自分の声かけや関わりで、患者さんが自分の気持ちを表出できたり、笑顔になってくれたり、治療やリハビリに前向きになってくれたりしたことがきっかけです。

在り来りかもしれませんが、そこにやりがいを感じて、もっと患者さんの心に寄り添える看護師になりたいと思いました。

患者さんは患者である以上、病気を患っていて病人として扱われます。体の病気は薬や手術などで医者が治すことができます。

でも、心の病気は医者の薬や手術だけでは治りません。日々関わる看護師が、寄り添い傾聴し、患者さんのこれまでの人生に寄り添い、何が不安で、何が嫌で、何が好きで、何をしたいのか。

その人を病人としてではなく、一人の人間として尊重して関わる必要があります。

だから、私は精神科看護師になって、誰かの役に立ちたかった。

でも、蓋を開けてみれば今の私は、全ての患者が早くこの世からいなくなることを毎日願いながら働いています。

患者さんのオムツ交換を行えば、大声で叫ばれ、蹴られ、殴られ、引っ掻かれ、「触るな！気持ち悪い顔しやがって！」と罵られる。

食事を介助すれば、スプーンを叩き落とされ、食器を投げられ、「早く食わせろよ！」と言いながら介助した料理を顔に吐きかけられる。

ニコニコしている患者さんの近くを通った瞬間に突然足を蹴られ、腕をつねられ、スクラブのボタンを引きちぎられる。

でも、どれも患者さんは覚えていません。

わざとではありません。

認知症だから。悪気はないから。
病気だから。仕方ない。

何度も何度も先輩にそう教えられ、何度も何度も自分に言い聞かせて来た言葉です。

「あなたの関わり方が悪かったんじゃない？」「もっと分かりやすく説明したら、患者さんもわかってくれるわよ。認知症だから忘れちゃうけど、何回も根気強く説明するの！そしたら、ちゃんと伝わるからね」
「患者さんに噛まれて血が出たの？次から気をつけてね」

先輩や上司に言われた言葉です。

どうしたら良かったですか？
数秒も短期記憶が持たない相手に、「こんにちは」さえ聞き取れない相手に、どうやって人を殴ってはいけないと説明したらいいですか？

何を気をつけたら良かったですか？
噛まれるかもって警戒して近くを通らなかったら良かったですか？

私が話しかけたり、患者さんの嫌なことをして噛まれたなら、次から関わり方を気をつけようって思います。でも、たまたま近くを通っただけで、時々なにかのスイッチが入って襲いかかってくる相手に、何を気をつけたら良かったのでしょうか？

突然掴みかかられたのも、蹴られたのも、噛まれたのも悪いのは看護師である貴方。

そう、私です。

顔面を殴られて咄嗟にやり返しそうになる手を何度も抑えています。顔に食事を吐きかけられても、笑って済ませます。手足に患者さんの歯型や爪の食い込んだ傷、あちこちにアザが出来ているけど、何も言いません。

だって看護師だから。

「うちは精神科だから仕方ないよ。もっと上手くやりなさいな笑」

そう笑って言う上司に、私はなんて言ったら良かったですか？

暴れる患者さんの精神薬を調整してほしい。薬をもう少し増やしてほしいと伝えても、返ってくるのは「施設に行くためにADLを下げられないから、薬は増やせないよ」です。

そもそもこんなに暴れる人が施設になんて行けるはずがないのに。

医者は直接患者さんを見に来ることもない。

時々、チラッと見に来て「うん、今のままで問題なさそうだね」と落ち着いている状態の患者さんを見て言うだけ。

大丈夫じゃないって言ってる。

夕方になる前に帰る医者は知らない。

夕暮れ症候群で日が暮れるとともに不穏になって暴れる患者さんの様子を知らない。

夜通し奇声を上げて、壁を殴り続けている患者さんを知らない。

看護師の記録を読みもせず、ただコピペで「n.p」(問題なし)と記すだけ。

数年前、障害者は人間じゃないと言って殺人事件を起こした人がいましたよね。

それは間違ってるってはっきりと言えます。

でも、そう思う気持ちはよくわかります。

会話も成立せず夜通し奇声をあげている患者。
壁を叩き続けている患者。
弄便して便を食べている患者。

トイレに行きたいと言うから誘導したのに、「トイレになんか行きたくない！私はそんなこと言ってない！お前は嘘つきだ！みんなお前に死んでほしいと思ってる！早く死ね！」と怒鳴る患者。

私は彼らの行動や発言に悪意を感じずにはいられません。全てとは言いませんが、故意にやってるんだろうなと思うことが多いです。

彼らは本当に尊重して、敬意を払って寄り添うべき相手なのでしょうか？

私は、こんな毎日を送るために看護師になったんでしょうか？

最近はもうわかりません。

正しいこと、してはいけないこと、ちゃんとわかっています。一線を超えたくなんてありません。

だから我慢しています。

笑顔で穏やかに接します。暴言を真に受ける必要はありません。わかっています。

でも、もうツライんです。

患者さんを大切だと、寄り添いたい、支えたい、守りたいと思えないんです。

早くこんな毎日から逃げたい。

でも、奨学金を借りているから、辞めることはできません。辞めれば一括返済です。まだ3年目の私に、そんな大金は用意できません。

逃げられません。

一線を超えないように、ただ泣きながら耐え続けるだけです。

私は看護師です。

立派な看護師になりたかったです。