ぼくには　おなじ年の　ともだちがいます。
ぼくと　おなじ男の子で、ゆうきくんって名まえです。
みんな、ゆうくんって　よんでるので　ぼくもゆうくんって　よんでます。
ゆうくんとは　ようちえんから　いっしょで、おうちも　すぐちかくだから、いつも　いっしょに　あそんでました。

小学生になってから　しってるともだちと　はなればなれに　なっちゃうかなと　おもってたから、ゆうくんと　おなじクラスに　なれてよかったです。

ゆうくんは　こくごと　さんすうの　じかんになると、すぐに　イスから立って　ずっと　しゃべっています。
じっとできないから、先生にいつも　おこられていて、ちょっとかわいそうです。

でも、リレーは上手で、すっごくはしるのが　はやいです。
いつも一ばんで　かっこいいなって、ぼくも　はやくなりたいなって　おもいます。

でもゆうくんは、ともだちと　すぐけんかして　ともだちを　たたいちゃいます。
おまけに口もわるくて、すぐに「ばか」とか「あほ」とかいってきます。
ぼくには本気でいっていないことがわかるから、ぼくは気にしていません。

ある日、ぼくがおかあさんに　ゆうくんが　またリレーで一ばんになったことを　おしえてあげました。
すると、おかあさんは　おこったようなかおで
「ゆうくんとは　あんまり　なかよくしちゃ　ダメよ。」といいました。
ぼくは　なんで　ダメなのか　わからなくて、おかあさんに　なんでダメなの？とききました。
「なかよくする子は　えらばなきゃダメなのよ。」
「いい子とだけ　なかよくしなさい。」とぼくにいい、たたんだ　おようふくを　かたづけにいきました。

ぼくは　まだ　わからなかったけど、それいじょう　きくのは　やめておきました。
なんで　おかあさんが　おこっているのかも　わかりませんでした。

その日のよる、ぼくはねむれなくて　きょう　おかあさんが　いっていたことを　おもい出していました。

いい子ってなんだろう。

おかあさんの　いっていた　ことばが　ずっと　あたまの中で　ぐるぐる　していました。

おかあさんは　ゆうくんのことを　わるい子だと　おもっているのかな。
ぼくが、ゆうくんが　ともだちを　たたいたはなしとか、「ばか」って　いわれたことを　おかあさんに　いっちゃったから　ダメな子なのかな。

ゆうくんの　わるいところを　たくさんかんがえてみたけど　ぼくにはわからなくて、もっとねむれなくなりました。

だって、ゆうくんは　とっても　やさしいひとだからです。

きょうしつから　出られなくなった　カナブンをにがしてあげたり、
ぼくが　けしゴムや　えんぴつを　わすれたときに　かしてくれたり、
ゆうくんが　きゅうしょくとうばんの　ときは、ぼくの　すきなおかずを　たくさん　入れたりしてくれます。
ぼくの　もっていない　おもちゃだって、いやがらずに　かしてくれます。

ぼくにとって　ゆうくんは　いい子だから、おかあさんの　いっていたことが　わからなくて、なんだか　かなしくなりました。

これから　ぼくは　ゆうくんと　なかよくしちゃ　ダメなのかな。
いっしょにかえったり、すきなポケモンのキャラの　はなしをしたり、スイッチであそびたいのに。

かんがえていたら　ねむってしまっていて、気づいたら　あさでした。

学校にいくと、ゆうくんが　先についていて「おはよう」と　あいさつをしました。

そのときぼくは、やっぱり　ゆうくんと　これからも　ともだちでいたいなと　おもいました。

ぼくにとって、ゆうくんは　すごく大じな　ともだちだから、おかあさんに　ダメといわれても　なかよくしたいなと　おもいました。

きょう　おうちにかえったら、おかあさんに　ゆうくんのはなしを　いっぱいしてあげようと　おもいます。
ゆうくんはやさしくて、おもしろくて、とっても　いい子なんだよと　おしえてあげようと　おもいます。

by．いい子、わるい子。

良い子、悪い子って誰が決めるのでしょうか。

私にとって？それとも、あなたにとって？

ちょっと視点を変えれば違って見えるかもしれない。

そんな思いから書きました。

この子の優しい気持ちに気付けますように。