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高知の八彩帖(ヤイロチョウ)27・「接客」

 かつてとある会社のサイトに連載していたショートエッセイです。高知のあれこれを書いています。

 今回のテーマは「接客」。良い接客をしてもらうと、「何か買って行こうかな♪」といい気分になりますね。逆に愛想が無いと、「あんな店2度と行くか!」な〜んて。

 接客にまつわるお話を書いてみました。どうぞお読みください。

(写真と本文は何の関係もありません)

 壇上で『お・も・て・な・し』と手刀切って数年後、ゴタゴタしつつも東京オリンピックは開かれた。っていうか、来客をもてなすのは当たり前のことじゃないのか⁉︎ま、ツッコミは置いといて。

 昔の高知(おそらく昭和時代)は、店の態度が良くないのが当然だったようだ。観光客が高知に来て買い物をした時、接客態度の悪さが特に印象に残ったという話を聞いたことがある。

 なんでも某商店街なんかは皆、「こっちはあんたらあに売っちゃりゆうがやき」という強気な態度でいたとか。誰がそんな店で買うかよ⁉︎

 …まあその後の高知の商店街の没落(?)ぶりを見たら分かるように、店が高飛車なのはとんでもなく時代遅れだったということで。

 しかしいまだに高知の店の接客態度は、県外に比べてイマイチだと思う。ちょっとキレイめなお店に入った時のこと。オシャレでスリムで若いお姉さんには店員が熱心に接客してるのに、ワタシは完全スルー(怒)。

 なんなら万引き犯に間違われたかも(さらに怒)。自分がどうでもいい格好&ドラム缶体型のオバサンだから、そんな仕打ちを受けるのか⁉︎2度と行くか、あんな店‼︎

 ところである日のこと。父が飲み会から上機嫌で帰って来た。訳を聞くと、お店の女の子に声を褒められたという。断っておくが、ワタシは父の声を良い声だと思ったことはこの方一度もない。

 おそらくその場は、声でもネクタイの柄でも何でもよかったんだろう。しかしその一言で人を上機嫌にさせるとは、さすがに接客のプロである。やはり接客というものは、テクニックが必要だ。

 …もっともワタシなぞは『いい時計してますね〜(棒読み)』と、たかが二千円の時計を褒められたことがある。おーい、うわべだけのお愛想は客にバレバレですよ(呆)。

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