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アメリカが第二次冷戦を始めたわけではない

修正主義者の中国は、自らの危険を顧みず世界秩序を破壊する

ノア・スミス

 三月に私は、バイデン氏がより進歩的な経済政策を採用したことで、左派は外交政策を重視するようになるだろうと予想した。パレスチナ問題への関心の高まりなど、この予測が現実のものとなる兆しも見えている。しかし、米国は中国に対してより厳しい態度で臨むべきだとする、党派を超えた意見に対して、左派は徐々に反発を強めているのだ。

 有名な『サンライズ・ムーブメント』をはじめとする進歩的なグループは、最近になって気候変動を食い止めるために、米国が中国に対して協力的な姿勢をとるよう求める公開書簡を発表している。彼らは書簡において「議会とホワイトハウスの双方でエスカレートしている、党派を超えた反中レトリック」を批判しているが、その『レトリック』が新疆での中国による人権侵害に対する広範な批判のことを指しているのかは明記されていない。

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