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なぜ多くの民主主義国家はもがき苦しんでいるのか?

2021年12月29日
リチャード・H・ピルデス

ピルデス氏は法学者として政治と法律の交わりを研究し、それらが民主主義にどのような影響を与えるかを分析することに、そのキャリアを費やしてきた。

 我々は民主主義の重要な価値である、効果的な政府を実現することについて、あまりに関心を払ってはいない。米国を含むいくつかの民主主義国家において、民主主義の後退や非自由主義勢力の台頭がもたらす脅威についてはよく知られている。しかし現在、事実上全ての西側民主主義諸国が直面している最も広範で、恐らくは最も根深い課題は、民主政治の分断化であろう。

 政治的分断とは、政治的権力があまりにも多くの者の手や権力の中心に分散し、民主的な政府が効果的に機能することが困難になることである。

 バイデン大統領はこの歴史的な課題を認識している。彼は大統領職の決定的な使命を、『21世紀の民主主義の効用と、独裁主義との間での戦い』に勝利することであると述べている。

 しかし政権内の意見が統一されたとしても、民主党の内部分裂により超党派のインフラ法案の成立は数ヶ月後へと先送りされ、ビルド・バック・ベター法案が成立するのか、成立したとしても、どの部分が成立するかについては不透明な状態が続いている。

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