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僕のジブリについて

 奥さんが毎月1枚、ジブリのブルーレイ作品を購入している。聞けば子どもに見せたいそうだ。なお、子どもはいま1歳である。布教活動を超えた洗脳活動ではと思いつつも、口には出さないことが夫婦円満につながることを賢明な僕は分かっている。本人が幸せならば何も言わなくて良いじゃない。なぜか「光る君へ」のオープニングにのみテレビに興味を示す子どもとジブリを見た(ことにした)って幸せならば良いじゃない。
 ただ最近これが「あなたも一緒に見よう」になってきたので、ここに書き残しておくことにする。僕の未見のジブリ作品の内容を。
 僕が見たことのあるジブリ作品は「もののけ姫」「火垂るの墓」「千と千尋の神隠し」「となりの山田君」「かぐや姫の物語」「コクリコ坂」くらいだ(漫画でナウシカは読んだ)。ジブリレベルは割りと低い方だと思う。ただそんな僕でも無人島に生きているわけではないので、ジブリの作品名はほとんど全て知っているし、内容も断片的な情報によって何となくは分かっているつもりである。たとえば、「となりのトトロ」も確かに見たことはないものの、幼稚園の頃から「歩こう歩こう」と歌っているし、親戚がくれたネコバスのぬいぐるみも家にあった。制作に約30年をかけた「僕のとなりのトトロ」が存在しているのだ。ただこの同人作品は本家を一度見てしまったら、蜃気楼のように消失してもう二度と僕の中に戻ってこないと思う。
 「もののけ姫」もそうだった。たしか数年前に初めて見た(見せられた)のだが、あのパッケージの姫がもののけ軍団を率いて人間たちと戦いを繰り広げ、戦いの中で青年と禁断の恋が芽生えていき…という「僕のもののけ姫」の内容はもうほとんど記憶に残っていない。
 ということで、廃版の危機に瀕した僕のジブリたちをいくつか書き残しておくことにした。

「となりのトトロ」 母を病で失い、父の田舎に3人で引っ越してきたサツキとメイ。同じように母を失ったトトロ3兄弟がサツキとメイを励ます(ネコバスに変身したりする)。最初はトトロを怖がっていたサツキとメイもその優しさに触れて、温かい感情を取り戻していく。
「耳をすませば」 吹奏楽部の少女の初恋の話。スランプに陥っていたが男の子との出会いによって楽器の素晴らしさに改めて気づく。自転車を二人乗りしながらどちらかが告白する。最後に男の子が上京していき、二人に別れが訪れたが、今でも耳を澄ませるとあの頃の彼の声が聞こえてくるのだった。
「天空の城ラピュタ」 両親を失い、盗賊の下っ端をしていた少年のもとに空から少女が降ってくる。少女はラピュタ一族の生き残りで、ラピュタの秘宝である飛行石を持っていた。世界征服をもくろむムスカが飛行石と少女を狙うが、最後はバルスのパワーによって目をやられて敗れるのだった。

 高めに見積もっても40%くらいしか合っていないと思うが、一度も見ていない人にもこれだけ浸透している作品って他にあるだろうか。すごい話である。並ぶとしたらディズニー作品くらいか。
 ちなみに僕が一番好きなジブリ作品は「となりの山田君」だ。次は山田君のブルーレイを買ってくれ、と奥さんに言っているが、あとまわしにされ続けている。奥さんの購入したジブリのブルーレイが既に4、5枚はあるはずだが、山田君の番はまだしばらく回ってきそうにない。層の厚いチームに所属していると大変である。

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