衰えた視力は

あなたを正しく見るため

どこにいても深く見つめあえるように

確かめあえるように

燃えるように眩しい光の中にいても

息もつまるような深い闇の中でも

あなただけを感じられるように

細かいことは気にしない

ただこの手にあり続ける

そのかたち　その温度

いつでも守っていられるよう

海は闇よりも深い

宇宙の波が境界線をこえた蒼い涙

この世界に留まるための

命の源　魂の終着点

悲しみの雨さえも希望の虹を産み出す

けども虹にさえ運命は止められまい

しがらみも自由さえも運命なのである

気にしながらも空中にあり続ける

星々に願いを届けるが如く

いまを感じ続ける

ほかには目もくれず

絡まった糸を解いて

ひたすらにあなたにつなぐ

姿を変えても再び出逢うため

だから視力は衰えた

世界の美しいもの集めるために

少しの光を残して

光とは目に見える美しさのことではないことを

わたしたちは知っているから

イルカの瞬きのように

夜空を深く見つめる目があればいい

かたちなくとも

存在そのものが本当の美しさ

永い永いときを越え

わたしが本当に見たいと願うのは

なににも染まらぬ

あなたの輝きだけなのだから