見出し画像

なぜ音楽理論が必要なのか?

今までは音楽については書いてきませんでした。しかしわれわれ本業は音楽ですので、今後はYoutubeと連動させ、音楽に特化した記事も書いていきます。

音楽理論を知ることによって、先人の足跡や他人の創作、もしくは自分の創作を見極められるようになります。延いては「音の世界で遊ぶ」ことにつながっていきます。

音楽理論を知らなくても曲は書けるんだから必要ないよ、と言う方もいます。知らなくてもできるというのは、全ての世界で言える言葉ですね。

それは自分の中にある感覚を頼り、その感覚だけで一生を貫くということでしょう。天賦の才があると認められていても・・・人生、社会というものは移り変わっていきます。

感覚だけの世界は長続きいたしません。同じところをぐるぐる回ってしまう自分がいます。新たな道を進むにも、道具(技術)が必要です。地図もなければ、方位磁針もないのでは、路頭に迷うばかりです。

また、その時は不必要だと思っても、偶然にも!後々生きてくることは多々あります。ですから勉強して(知っていて)損になることは絶対にございません。→これは猫目石の師匠のお話で、亡き今も印象に残っているお言葉です。

ただしその勉強の仕方が重要なのです。良き師匠は感覚重視です。たとえば和声。和声の教科書を読み、規則化して覚えることで良き曲が書けるようになるわけではありません。猫目石の師匠も「和声は学問ではないから、和声学とはよばない!!和声の勉強は和声感覚を身につけるためのもの。」と強く言われたことがあります。

お勉強であり、お勉強ではないといった不思議なこと。目に見えないもの、感覚を現実として捉えるのって難しい。

勉強の流れ

楽典

楽典というのは言葉のようなものです。海外に行って言葉がわからなければ苦労しますよね。まず言葉をマスターしましょうということです。

音程 まずここからスタートするのがとっつきやすいかと思いますし、進歩も早いでしょう。

調号や近親調(近い調の関係)も、しらみつぶしに覚えるだけでは非効率。法則を理解する必要があり、そのためには最低限音程の知識は必要です。

次にダイアトニック音階、音階の上に形成される和音を知ること。音階にはダイアトニック以外にもありますが、それらは後回しにして、まずダイアトニックを自由自在に操れることが、古典的な和声の技術を早く習得することにつながります。

現実の場面において、調号なしで調性を判定する必要も多々でてきます。そのために和音の知識があれば、感覚(歌ってみればなんとなく調性がわかる)+理屈でより確実なものとなります。

他にもリズム、拍子、楽語などありますが、これらは実際の曲に触れ、「これはこういうものだ」と感覚で理解していくのがよろしいでしょう。本の知識だけではなく、演奏を(身体を使って)同時進行させることは大いに必要だと思います。

全ての知識が輪になっていますので、一つも欠かすことはできず、しかも断片的な学びでは、堂々巡りの時間の無駄になることはご理解いただけたでしょうか?

和声と対位法

これらを知った上で、和声を修行。和声感覚を身につけた上で対位法へと進みます。対位法は和声感覚の上で繰り広げられる声の絡み合い、絡み合うことによる、自由闊達なリズムを身につけるための技法です。

自由闊達なリズムとは?流れを止めず音の世界を表現すること。そのためには自我や癖を徹底的に排除していく必要も出てきます。

それでは自分というものが何もなくなってしまうのでは?

いいえ!しっかり自我は残ります。みな、本来の人としての何かをもっていますので、一時的に捨てたとしても変わりません。しかし、多くの方は捨てることを嫌います。

そのままで終わってしまっても、私は良いと思います。できなかったことを高齢になってからでも勉強し直すこともできます。一度やったことは、覚えているもので、再開のほうがうまくいくかもしれません。

身近な課題として

デジタルを扱うのが当たり前の今、楽譜制作ソフトを操るにも音楽理論の知識は最低限必要です。楽譜が読めない、調性もわからないなど・・・何も知らなくてもソフトが勝手に譜面を作ってくれるわけではありません。

使うのは「自分」であり、コンピュータではありません。使う側に回るにも、使うための技術が必要になります。

自分の音楽には必要ないかも・・

最初にも書きましたが、音楽理論は知っていて損になることはありません。行き詰まったときの方向転換の手助けの一つとなることは確実です。

何事においても、他からの学びは必要です。作曲を志すとして、何の引き出しもなく書き続けるのは、異常に難しいことであります。

引き出しは多ければ多いほどよく、それらの引き出しを自分の色で染め上げていくことが楽しみになれば、生きる上での喜びにつながるかもしれません。創作がご自身の変転を映しだす鏡と感じられる日もやってくるかもしれません。

そのための手立て、音楽理論の勉強は第一段階と言えましょう。

かなりの長文となってしまいました。お読みいただきありがとうございました。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?