【PLAY BACK THE GAME】2005/2006 リーガ・エスパニョーラ第12節 レアルマドリードvsバルセロナ ~ロナウジーニョが伝説となった日~
Day of the LEGEND
明けましておめでとうございます。
noteを開設して1周年となります。
今後も欧州サッカー(ほぼリーガになると思うけど)を中心にお届けしますので、今年も宜しくお願いいたします。
年明け1発目なんですが、以前のブログから継続で過去のゲームを振り返ろう、温故知新ということで歴史から学びましょうの企画です。今年は、僕がソーシャルネットの世界に出て10年目なのですが(節目節目節目!!)、いつかはこの選手を取り上げたい!と思っていました。その選手とはご存知この方
ロナウジーニョです。
世界最高のサッカー選手と言えば、今はメッシ、ロナウドのどちらかでしょう。なんですけど、僕は世界でサッカーが一番上手い選手は?と聞かれたら迷わずロナウジーニョと答えます。どんな時も常に笑顔。ドリブル、パス、シュート、トラップ、フェイント、フリーキック。。。全てが上手い。エレガント。サッカーを芸術に変えてくれる魔法使い。伝説の始まりです。
伝説になったクラシコ
■vsギャラクティコス
リーガ・エスパニョーラ05/06というと、ギャラクティコスと呼ばれるレアル・マドリードが徐々にピークを過ぎていく時期。このシーズンを最後に、ジネディーヌ・ジダンが現役引退。メンツもクロード・マケレレを放出して以降、攻撃に偏ったメンバー編制になりバランスを徐々に乱してきてました。ベッカムとか、ファーガソンから「お前、レアル行ったらボランチやらされるぞ」とガム噛みながら言われたとか何とかでマジでマケレレの後釜的にボランチやってたわ。
バルサもバルサでドリームチーム終焉して7年が経とうとしていますが、迷走期に入ったというか俗に言う暗黒期です。そんな中で会長にラポルタが当選して以降、クライフのアドバイザー的な実質クラブ帰還に監督フランク・ライカールトを迎えて今のバルサイズムを取り戻そうとしています。その象徴的な存在こそロナウジーニョです。
では両チームのスタメンです。
レアル、めっちゃ名前だけでは世界一感ある!!最初はマジでこの配置だった。今考えるとスゲー怖いし、脳筋感満載!監督もルシェンブルゴだっけ。あんま人気なかったで有名な。
立ち上がりから、やっぱバルサの方が何をやりたいのかが明白で、対するレアルは選手各々のサッカーIQに全てを託しているみたいな。序盤でプレス嵌らなくて、すぐラウールをトップ下に配置した4-2-3-1にした。
バルサは、メッシとエトーとロナウジーニョの3トップが流動的に動いてレアルの守備陣を切り裂く。SBのジオにオレゲールはそれぞれガンガン攻め上がるタイプではないので、この3トップでサイドの幅を確保しつつ、レアルの隙を常に伺う。
今このトライアングルができていますけど、メッシが中に入って楔受けるところですね。
SBのロべカルがメッチャ喰い付いてる。この時期のレアルはこれが多すぎ。
メッシが3人も引きつけて最後尾へ戻す。すると
ロべカルのいたエリアが空く。ここをオレゲールが突く。
攻撃力ないオレゲールvs守備力ないジダンの逆ほこたて対決。
銀河系軍団あるあるです。ネガトラがクソ弱い。そしてこの時代だと人に喰いつく守備が往々としているのでめっちゃスペース作れる。特にこのロべカルの裏ですね。ここはメッシとエトーで攪乱して徹底的に狙う。
ロべカルを狙うだけでエルゲラも動かせる。これでどうなるか。ラモスもカバーに行かざるを得ない。そして逆サイドでミチェル・サルガド1枚が残ることになる。その対面には当時絶頂期のロナウジーニョ。さぁ、ステージの幕開けです。
■ロナウジーニョ on STAGE
レアルの構造上の欠陥というか、メンツ的に守備難ありなのであっさりと攻略は出来ます。なので攻撃で自由にプレーさせなければなんてことはないです。事実、組織バランスが悪すぎる。なので押し込んでセカンドを拾いまくって2次攻撃3次攻撃を続ける。それであればレアルのターンになることはないです。つまりポゼッションしろ。そうすればあの男が火を噴くから。
例のごとく、ミチェル・サルガドとのアイソレーションで見事なトラップを披露するロナウジーニョ。
走ってきたチャビにスルーパス。
カットされる。ここからセカンドを拾いたい。
マルケスが拾う。再びロナウジーニョ。
これは凄いとしか。
レアル左サイドでエラーを起こしたことで、逆サイドのロナウジーニョが活きる。これで両サイドはバルサがイニシアチブを握ることに成功した。さぁ、あとはどう圧倒するか。
■Bernabeu to Jack
右はメッシがロべカルを釣ってエトーと共に攪乱し、エルゲラを動かす。左はロナウジーニョ1人で充分攻略完了。この両サイドを制圧したことでレアルの攻守の歯車は完全に破たん。
エルゲラまでもが動かされることでボランチのパブロ・ガルシアまでが最終ラインにカバー。そうなれば中盤は基本ベッカム1枚ですが、ジダンにラウールが戻ってくる。なおロビーニョは行方不明。
でも、ジダン、ラウール、ベッカムのブロックがチャビとデコを止められるわけなく、なおかつ攻撃の起点となるべき選手なのでカウンターを発動させられない。前線はロナウドが孤立。なおロビーニョは行方不明。
ルシェンブルゴが打った手は、少し足を負傷したラウールを下げ、ボランチにグティを入れて、ジダンへの配給ルートを作る。
これで立て直したいところなんですけど、守備のアンバランスが攻撃のバランスを崩していたので、根本的な問題が解決できたわけではありません。レアルもレアルで守備に問題を抱えているので、トランジションの回数はできるだけ減らしたい。つまりポゼッションしないと永遠に自分のターンにならないのです。
しかし相手は世界一のボールポゼッション力を持つバルサ。相手が悪すぎた。
全てのエリアを完全制圧されたレアル。ベルナベウは後半には陥落した。
■ロナウジーニョよ、永遠であれ
世界最高のサッカー選手。
完全アウェイを味方に変えるマジシャン。
戦術の高度化、精密性により選手のクリエイティビティが失われつつあるといわれています。ネイマールでさえロナウジーニョほどの創造性はない感じなので。というかロナウジーニョが異質過ぎるのか。
改めてこのクラシコ見て、やっぱマジカルな選手は見ててエエナって思いますわ。そんなロナウジーニョの波乱万丈のその後を想像して2024年初記事となります。最後はこの画像でお別れです。さようなら
NEXT
新春短編コラムシリーズ第2弾。
去年はバルサの歴史を振り返りましたね。見てない方は見てちょんまげ。
今年はこの人物の謎を解いていきます。
『エリック・テンハグ 狂気と知性の狭間で』
お楽しみに
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