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セビージャ・クライシス/低迷の理由とディエゴ・アロンソの可能性

混乱



昨シーズンからセビージャの混乱が続いていますが、今季も継続です。


事の発端
今季はホセ・ルイス・メンディリバルが昨シーズンの終わりから継続で新スタートしました。

奇跡の逆転残留からまさかのELまで制して最高のシーズン終了したものの、今のセビージャには補強できる資金はなく、フリーでセルヒオ・ラモスを獲得ぐらいか。

新シーズンをスタートしたセビージャですが、メンディリバルって「弱者の戦い方」のマスターであって、補強できないとはいえそこそこ選手は揃っているのでメンディリバルの戦術はかえって足枷みたいになってしまい序盤で終焉。気づいた時には解任されていた。あらら。



セビージャ・クライシス SEASON2

■ディエゴ・アロンソとは何者か

メンディリバルの後任に任命されたのがディエゴ・アロンソという人物。

去年のカタール・ワールドカップでウルグアイ代表を率いていた人物ですね。このワールドカップでのイメージは、正直言ってそんなに良くない。。。


実際に見てみますが、メンディリバルと比べて守備組織は大雑把。ラ・リーガ第12節セルタ戦から

スローインからなんですけど、ちなみに赤がセビージャです。スローインはオフサイドがないので、逆にDFラインの足並みが揃っていないといけないのですが、

逆サイドスッカスカなのはちょっとアレなんですけど、同サイドに人数掛けている割には簡単に攻略されすぎだろと。

シュート後なんですけど、セカンド拾われてセルタの右サイドに展開されますけど、まぁディフェンスラインが乱れてます。

ラインが乱れてるんで、ボールから近い順にプレスに行くというDF組織ぶっ壊れあるあるな守備をやってます。これやると

ゴール前のあらゆるところにスペースができる。正直言ってカオス。

ディエゴ・アロンソの個人的印象は、守備超カオスすぎて組織のバランスが取れていないというところ。サンパオリの頃に戻ったんかとツッコミ入れたくなるのですが、サンパオリよりはまだまし。アレは選手起用も適材適所ではなかったし。

じゃあ、ディエゴ・アロンソにしなければならないほどメンディリバルがマズかったのかというと、この後メンディリバルの守備を見ます。まず僕の結論から言うと、守備に関しては断然メンディリバルの方がまし。



■メンディリバルの問題点

簡単にメンディリバル体制の守備を見てみます。
適当に選択した第5節ラス・パルマス戦から

ここから縦パス入りますが、

人が揃っているんで、対応はクロスを入れさせない、だけでOK。裏に抜ける選手もいますが、シュートさえ打たせなければいいので

守備の距離感も近いので、すぐに戻ってこれる。

中央にパス出されても

シュートコースは防げているので全く問題ない。ボール回収は時間の問題。

メンディリバルのいいところは、ディエゴ・アロンソのようにセットプレー始まりでいきなりガバガバなことはありません。人数は揃っているし、スライドは出来てるしで、押し込まれる展開では逆に強固な守備を発揮できる。


これがセビージャにとってはメンディリバルと相性が悪いところだったかもしれないですけど、メンディリバルは弱者の戦い方のスペシャリストです。だから押し込まれる展開には強い。セビージャが昨季のボロボロシーズンでELを制することができたのも、そこはメンディリバルの良さが出せる舞台だったからなんですよね。相手はセビージャ以上にボール保持ができるから。

ですけどリーガではそうはいかなくて、セビージャの場合はボール保持する展開が多いので、そこはメンディリバルとの相性は悪かった。バルサ相手にあと1歩までの展開にできたのと裏腹に、格下と言える相手にコロッと負けるのはメンディリバルの攻撃戦術に問題があった。シンプルにサイドからクロス上げてエンネシリがメイン。

これぞメンディリバルってゴールなんですけど、開幕戦から

マジでこのワンパターン。メンディリバルは攻撃戦術に関してビルドアップを仕込めるタイプではないので、シンプルにサイドからクロス上げて中央のデカいFWに合わせる。なのでガッツリ引かれるとビルドアップで剥がす作業が必要になるんですが、メンディリバルはそういうことしないので、ここに関してはラモス頼みなところが多かったですね。一応ラモス獲得した意味はあった。



■ディエゴ・アロンソの課題=ファンタジスタ達をどう活かすのか

メンディリバルはセビージャの攻撃スカッドを上手くいかせていたとは言えなかった。ボールを持たされ、中途半端に奪われ、その分人数掛けたから最終ラインはスカスカ、アラッ簡単に失点してまう。が続く。


今のセビージャのスカッドですが、司令塔のラキティッチはもちろん、オリベル・トーレスにエリク・ラメラ、ルーカス・オカンポスとテクニックや攻撃に優れる選手が多いです。ファンタジスタが多いのはほぼほぼロペテギの遺産なのですが、ロペテギ後にサンパオリ、メンディリバルと全く方向性の違う監督を連れて来てのディエゴ・アロンソにたどり着いたので、結局どうしたいのかという話なのですが、クラブとしてはまずは「勝ってくれ」が本音なんでしょうね。ということで、ベティスとのアンダルシア・ダービーを振り返ります。


見せてくれセビージャ!!

今季のベティス事情はあまり詳しくないんですが、ペジェグリーニのチームらしく中央密集して大外はSBが上がれるスペースを作り、逆サイドへ展開する。

左のアジョセ・ペレスと右のアサネ・ディアオが外の張り出さずハーフスペース及びバイタルに侵入して来ることから、セビージャ中央に数的不利な状況を発生させる。セビージャは今季ジブリル・ソウというbox to boxを獲りましたが、バイタルの守備管理をソウ1人でやるのは流石に無理で、セビージャの2列目も戻って対応せざるを得ない。

結果こうなる。大外はベティスのSBにイニシアチブを握られ前進できず、トップはエンネシリが孤立。ディエゴ・アロンソ就任してから守備がカオスすぎてボールが前進できずなかなか2列目の良さを発揮できないという状況が続いています。

イスコさんが右でボールキープ。ベティスの選手は基本中央密集ですよね。逆サイ大外にSBのミランダが構えている。

もうね、ベティスのやりたいことをまんまとやられている。この後もベティスにいいように攻められ、

5レーンにそれぞれ埋まる配置にしたところで、イスコさんがブロック外でボールをもらいつつセビージャの中盤を破壊しにかかる。これを止められないセビージャ。いいようにイスコさんに振り回されて中盤を破壊されてもなぜか失点しない不思議。

まぁ、試合の結末はベティスがセットプレーでこじ開けたけどラキティッチがゴラッソを突きさして1-1のドロー。



メッチャ熱い試合だったけど、勝ち点3にふさわしい内容だったのは間違いなくベティス。セビージャはサンチェス・ピスファンのアドレナリンでドローに持ち込んだって言えばいいかな。とにかく守備は終始瀬戸際でなんとかするしかなくて、プレスの嵌め処もハッキリしてなかった。


メンディリバルは守備に人数掛けたことが攻撃に悪い影響を与えたのに対して、ディエゴ・アロンソは守備が未設定でボールを奪えずポゼッションできないというどっちもどっちな感じ。ビルドアップも微妙な感じだったけど果たしてどうなるか。

2列目のタレントを活かすなら、プレスとビルドアップを整備することから始めた方がいいんだけど、見た感じディエゴ・アロンソに期待し過ぎは良くない感じ。




NEXT 

今まで取り上げてこなかったチームでも見てみようかな


Thanks for watching!!

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