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伝わる文章のつくりかた ①3つの「揃える」編

リモートワークで成果を出すために、重要な役割を持つ「テキストコミュニケーション能力」。平たく言えば、書き言葉を通じて、社内外問わず円滑なコミュニケーションをとるための力です。

本noteでは、私ねこにしが1年間リモートワークをする中で得たテキストコミュニケーションのコツを、シリーズ物でお送りします。第一弾のキーワードは「揃える」です。

「揃える」のは、書き手であるあなたと、あなたの文章を読んでほしい人たちの頭の中。具体的にどんな要素を揃えていくと伝わりやすい文章になるのか、まとめていきます。

①「読後のアクション」を揃える


リモートワークだと、ちょっとしたタスクの進捗報告や確認依頼等もテキストで行う機会が増えてきます。

そんな時、気を付けたいのが「読み手が次のアクション(返信・レビュ―・etc……)をすぐに起こせる文面になっているか?」というポイント。

◆よくある読後アクションが決めづらい文章(一例)

「●●の素材が欲しいんですけど、どこにありますか?」
→え、何に使うやつ……?使う先が分からないと(サイズとか規定とかで)適切なものが定まらないなあ。

「●●、とりあえず完成度60%まで作成しました。ご確認お願いします。」
→確認って、何をどこまで細かく見ればいいやつ……?

「●●のやり方が分かりません、教えてほしいです。」
→何をどこまで調べた結果「分からない」となっている……?(それによってアドバイスの内容も変わるんやけども……)

いずれも、読み手が返信をしようとした際に必要な情報が不足しているパターンです。

読み手に行ってほしいアクションを明確にしたうえで、判断に必要な情報を一通り渡せるようになると、テキストコミュニケーションがぐっとスムーズになります。

……とはいえ、最初から完璧を目指して発信が遅くなってしまうのは禁物。
テキストでの依頼・質問をやっていく中で、もし先輩が(依頼・質問に)答える前に追加で何かを聞いてきたとしたら、それは成長のチャンス
「なぜその追加質問が必要だったのか?」を想像したり聞いてみたりし、「こういう時にはこういう情報も渡すべきなのか!」を一つ一つ吸収していくことで、より円滑なコミュニケーションができるようになっていくはずです。

②「読む速さ」を揃える

言うまでもなく、読む速さは人によって様々。寸分違わず揃えることは不可能でしょう。
しかし、書き手であるあなたと、読み手である誰かの読む速さがどれくらい近しいかは、スッと読める文章かどうかを測る一つの物差しにはなるはずです。(自分が書いた文章ですから、自分が速く読めるのは当たり前。問題は、自分と同じくらいの速度で、他の誰かも読めるような文章になっているか?です)

読む速さを揃えるためには、「書き手はすらっと読めるけど、読み手はすらっと読めない」部分をつぶしていく必要があります。人が文章を読む時、詰まるとしたらどういう時でしょう?

・自分の知らない専門用語が出てきた時
・文脈で意味を特定できない言葉が出てきた時(これはどういう意味で言っているのだろう)
・一文が長く、修飾関係を一読で掴みきれなかった時(もう一回文頭から読み直そう)
・論理関係がおかしい等、書いてある内容に納得できない時(二度読み)

……等々。

あとは、句読点の位置で「息継ぎ」のタイミングを揃えるのも何気に重要です。
自分の書いた文章の読み方は、自分が一番よく分かっているはず。どこで息継ぎをすると、一読しただけで……同じ文章を何度も読み直さなくても、文意が伝わる文章にできるか、という観点から、読点をうまく使っていけると良さそうです。

③「テンション」を揃える


え?書き言葉でテンション?……いえいえ、本当に伝えたいなら、テンションを合わせるのはすごくすごく大事です。「この人の文章、なんかついていけないな」と思われてしまっては、コミュニケーションにならないのは話し言葉でも書き言葉でも同じなはず。

「テンションを揃える」とは言っていますが、要するに自分が書きたいように書くのではなく、相手がコミュニケーションをとりやすいように工夫して書く、ということだと思っています。

テキストでテンションを表現する方法は、主には「文字量」と「言葉遣い」。
相手の顔が見えないテキストコミュニケーションだからこそ、双方安心して円滑にコミュニケーションをとるためには、意識的にニュアンス・感情を伝える工夫が必要になってきます。
(対面での会話で考えてみるとめちゃくちゃ当たり前の話だと思いますが、程度の差はあるにせよ、相手の語気や表情をもとに多少の調整はするはずです。)

口頭で話していたことをそのまま書くだけではなく、「これを読んだ人はどう受け取るか?」まで想像して、語末の言い回しやちょっとした言葉遣いを調整していくのも、些細なところではありますが、きっと大切なのではないでしょうか。

次回予告


今回は「揃える」をキーワードに、どんな文章・場面でも重要だと思うポイントをさらっとまとめてみました。

次回はインタビュー記事やコラム記事等、ある程度まとまった長文を書く時のポイントを、自分の業務のふりかえりも兼ねて書いてみようかなと思っています。

それでは、良きGW最終日を!(残り3時間)

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