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笑うお爺さん

先日載せた『四角い穴』の中でワタクシ猫野パンダがビビリな理由を書きましたが↓


↑これを書いている時に、あることを思い出した。
あれも私の厄介なビビリスキルによる出来事だったのか
思い出す度にぐるぐると考えてしまうので、またnoteに書いてみようと思う。

私が高校生の時、学校が終わってバイトが始まるまで時間が空くことが結構あった。
そういう時は、よく近くの駅ビルの中で時間をつぶしたりしていた。

猫野パンダはHSP体質っぽいので、見えるもの、聴こえてくる音、匂い…とか色々と疲れやすい。
なかなかの年齢になってしまった今は症状が酷くなって、お外嫌いのスキルも身につけてしまったけども。
若い頃もそれなりに悩まされていて、メガネをずらしたり、音楽を聴いたり、
呑まれそうになった時は、『私はここにいる』と冷静になれるように香水の匂いを嗅いだり、色々と対策をしながら生活していた。

駅ビル内をウロウロするのも疲れるし、フードコートとかも人が多すぎてダメ。
一番落ち着くのはエスカレーター横の奥まった場所にあるベンチ。
そこに座って音楽を聴きながら、頭の中に浮かぶことを携帯のメモに書いて過ごすことが多かった気がする。(暗ッ…)
時間をつぶしている時も、ベンチの場所は結構重要だった。
上りのエスカレーター側には駅ビルの出入り口があって、頻繁に出入りする人達が視界の端に見えるから落ち着かない。
反対の下りのエスカレーター側には縦方向の通路があったけど、人が通過するまでは視界に入りにくい。
なので、いつもそっち側のベンチを選ぶようにしていた。
奥さんの買い物待ちなのか、それとも違った意味で時間をつぶしているのか、ベンチには先客のお爺さん達がズラッといて座れない日も多かったけど、座れた時は音楽で周りの音を遮断して携帯を見ながら、ちっさいマイワールドに浸っていた。

ある日、ふと顔を上げるとエスカレーターを降りてくるお爺さんと目が合った。
70代ぐらいのお爺さん。
まるで窓の外を見ているみたいに、体を横向きにしてエスカレーターの手すりに寄りかかっていた。
何故かめっちゃ笑っている。
目が合っているのか正直わからないぐらい、満面の笑み。
そのお爺さんはそのまま下の階へ行ってしまった。
何だったんだ? と思ったけど、私は全く気にしていなかった。

別の日。
ふと顔を上げると、またあのお爺さんがこちらを見ながらエスカレーターを降りてきた。
やっぱりめっちゃ笑っている。
あのお爺さんも暇つぶし難民なのね…とその時も気にならなかった。

別の日。
その日は買い物をしたくて、ベンチには行かずに
同じ駅ビル内にある本屋に行こうと、フロアとフロアを繋げる通路を歩いていた。
通路の両サイドには大きな窓がある。
チラッと外を見てすぐに視線を戻したら、前からあのお爺さんが歩いてきた。
まためっちゃ笑っている。
あー、私と同じ暇つぶし難民だから、駅ビル内をウロウロしているのかな?なんて思いながら、お爺さんとすれ違った。

同じ日だったか違う日だったか
さっきの通路を歩いていた私。
またチラッと窓の外を見て前を向いたら、わかると思いますが…
またあのお爺さんが満面の笑みで歩いてきた。
猫野パンダはビビりです…なんて言ってるくせに
あっ、よく会うなぁー。って程度にしか気にならなかった。
なんとなく振り返ると、お爺さんは気だるそうにゆっくりと歩いて行ってしまった。

別の日。
私はATMでお金を下ろしたくて、いつもとは違うビルに向かっていた。
銀行はビルの2階部分にあって、外の通路を歩いていた。
その通路は駅とか商業ビルとか色んな場所に繋がっているから、たくさんの人が行き交っていた。
動いている人にも酔ってしまう私。
俯くように少し下を向いて歩いていた。
もちろん、危なくないように前や周りを気にしながら歩いていたんだけど。
ふと前を見たら、こちらに向かって歩いてくる人の中に見覚えのある顔があった。
やっぱりめっちゃ笑っている。
またあのお爺さんだ。ちょっとどんだけ会うのよー。こんな所でも会うなんて…と、今回はちょびっと気になった。
でも、いつもの駅ビルは駅を挟んで反対側だから、こっちにだっている日もあるよねぇ。なんてこんな程度。
反射的に振り向くと、ちょっと離れた場所でお爺さんもこちらを振り向いていた。
こっちを見ているとは思わなかったから、私はスーッと前を向いて急ぎ足で銀行に向かった。

また別の日。
その日は友達に会いに行くために駅のホームにいた。
友達が住んでいる場所は電車で数駅。近くもなく遠くもない場所だった。
乗る電車がホームに到着するとアナウンスが聞こえて、自然と電車が来る方を見た時、少し離れた場所にあった自動販売機の横にあのお爺さんが立っていた。
いつもと変わらず満面の笑みを浮かべながらこちらを見ている。
それに気がついた瞬間、流石の流石にえっ……って一瞬固まってしまった。
でもでもやっぱり、最寄り駅だし、あのお爺さんだって電車乗るよね。とポジティブ思考。というか無理矢理そう思うようにしていた。
お爺さんは同じ電車に乗っているんだろうか? それとも降りたの? とか、電車に乗っている間もぐるぐると考えていたけれど、友達に会ったら忘れていた。

友達と3時間ぐらい遊んで、帰ろうと電車を待っていた。
ちょうど帰宅時間帯に近かったので、ホームもそれなりに混んでいた。
なにかのアナウンスが聞こえて ふと前を見たら、
反対側のホームの電車が発車し始めたところだった。
完全に見えなくなるのを目で追って、スッと視線を前に戻したら
反対側のホームにあのお爺さんがいた。
猫野パンダは目が悪くて、昔からメガネをかけている。
女子高生だった時もメガネ女子だった。
だから、確実にそのお爺さんだったと言い切る自信はないけども…
でも、翁のお面みたいな満面の笑みがこちらを向いているように見えた。
その瞬間、ゾクッとした。
ここは友達が住んでる場所の駅だし、あっちのホームは逆方面。
行きに見かけたから、あのお爺さんに見えるだけだよね。
あのお爺さんだったとしても同じ県内なんだから、この駅にいることもあるよね。うん。
なんて強制的に現実逃避していた。
それでもなんとなく怖くて、電車を降りてから家までの帰り道は汗だくで自転車を漕いで帰った気がする。

その後も懲りずに私はベンチに座っていた。
あのお爺さんとも時々遭遇していた。
いつもは満面の笑みを浮かべているだけで無言だったんだけど
ある日のお爺さんはちょっと違った。
またふと顔を上げると、あのお爺さんが降りてきた。
手すりに寄りかかって、めっちゃにんまり笑っているのは変わらない。
でもその日は、私に向かって指差すように指先をちょんちょんと動かした。
なにか話しているのか口も動いていたけど、全く聞こえなかった。
ここでやっと猫野パンダのビビリスキル、妄想スイッチがオン。

……見 て る か ら な


そう言われているような気がした。
それでもまだ若かったからか
またお前かー、よく会うなぁ。ってお爺さんも思ったのかも。と妄想スイッチを強制オフ。
その後、バイトは辞めて高校も卒業してからは、その駅周辺には暫く行かなかった。
1~2年近くは経っていたので、あのお爺さんのことも自然と忘れていた頃。
伯母と外出した時に、久しぶりにあの駅の近くを歩いた。
懐かしみながら周りを見渡していたら、急にあのお爺さんのことを思い出した。
少し離れた先にはあの駅ビルも見える。

「ねぇ、おばちゃん。高校生の時にね、頻繁に会うお爺さんがいたの」

「お爺さん? 仲良かったの?」

「ううん。話したことはないんだけど、○○のビルのエスカレーターとか、○○駅の周辺で何回も会うの」

「いつもウロウロしてる人っているよね」

「うん。でもね、不思議なのはいつもすんごく笑ってて、ちょっと不気味だったのが、○○駅にいた時とか離れた場所にもいてさ。どこにでも現れるお爺さんなの」

「えー、それはちょっと怖いじゃない。パンダちゃんのストーカー?」

「いやいや、私にストーカーなんてしても、お爺さんにメリット何にもないじゃんかー笑」

なんて伯母とキャッキャウフフしながら信号待ちをしていた。
信号が青に変わって渡り始めた時、
前から来るたくさんの人の中に見覚えのある満面の笑みが見えた。
こんなタイミングでそれはありえない。
そう思って改めて見てみたけれど、やっぱり数メートル先にあのお爺さんがいる。
めっちゃ笑いながら、ゆっくりとこちらに向かって歩いてきた。

「おばちゃん…。今話したお爺さんが前から来るんだけど」

「えっ、嘘。どの人?」

「めっちゃ笑ってるお爺さん」

「あっ…」

そう言っている間にあのお爺さんが私と伯母の横を通り過ぎた。
間に伯母がいたけれど、お爺さんは私の顔を覗き込むように少し首を傾けながら通り過ぎていった。
信号を渡りきって振り向くと、そのまま道をまっすぐ歩いていくお爺さんの後ろ姿が見えた。
もしかして、あのお爺さんはこの世の方ではなくて私にしか見えていないんじゃ?と思った。

「おばちゃん、どの人かわかった?」

いや、わからなかった。と言われるのが少し怖かった。
だけど…

「うん。すぐ横を通り過ぎた人でしょ? ニンマリ笑って…まるで悪魔みたいな顔のお爺さんだったわね!」とちょっと毒舌な上に興奮気味の伯母。
伯母にも見えていた。
だから、あのお爺さんは霊とかそういうのじゃないはずなのに、
なんで目の前に現れるのかが謎すぎて私は困惑していた。

あのお爺さんが…というわけではないけれど、
今はあの駅周辺に行く機会がほとんど無くて、あのお爺さんとも会っていない。
もし会ったとしても、相当なご高齢になっていると思う。
今でも謎のままだけど、
改めて考えてみると単純によく会う人間のお爺さんだったのか…
それか、あのお爺さんも私の想像、妄想、強すぎる念が作り出した存在だったのか…
それとも…と先日の『四角い穴』を書いている時に気になった。ってお話。

言葉にするの下手っぴなので、よくわからなかったらごめんなさーい。

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