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被災地のある家族の話

岡山県内の豪雨被害としては、倉敷市や総社市の浸水情報が主に報道されており、そちらにばかり目を向けていた。岡山市東区の平島という地域でも、一階部分が水に浸かっていたことを、つい昨日わたしは知った。夫が知り合いから聞いたところによると、その人の友人は、自宅の二階に妻子が取り残されていることを仕事先で知り、なんと泳いで帰り着いたという。
俺ならホテルに泊まるかも、と夫はわたしに正直なところを話した。流木やタンスや看板がものすごい勢いで流れている川の中を、泳いで帰って来いとはまさかわたしも言えない。
おそらくは、二階の屋根伝いに窓から入ってきた夫のずぶ濡れの姿を見て、奥さんもさぞ驚いたことだろう。子どもと三人で泥だらけの抱擁をしたかもしれない。
愛が地球を回しているんだなあと、しみじみ感じて胸が熱くなった。

最後まで読んでくださってありがとうございます。あなたにいいことありますように。