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焚火と漫画と金の杖

小説や詩と関係ないことをしていると、良いアイデアや書きたい題材を見つけやすい気がします。最近は大根や人参を皮むき器でしりしりしている時によく思い浮かびます。大量のしりしりはタッパーで甘酢漬けに。そして冷蔵庫はしりしりタッパーだらけに…!

今回は言葉の添え木様のお題で作った詩を五編、お送りいたします。



Always

すべての道を歩いてみたい
すべての月を風船にして
すべての星への道を

そんなの無理と言いながら
いつも突飛な夢を後ろ手に

生活に埋もれそうになりながら
成層圏に向かって手を振るよ
時々止まって、歩き始めるよ

いつも、いつまでも



幻の金色並木道へ行こう
アクセスは簡単
クッションにうつ伏せに
あとは深い眠りに手を引かれて

銀色のビルの隙間を走り抜ける
金色の葉っぱたちに乗ろう

極彩色からパステルカラー、モノクロへ
時間の渦が色々に
唯一、不変の金色に安心して
アクセルを踏んだ



焚き火

焚き火を見つめれば
落ち葉の隙間に見える
火焔のシャングリラ
赤いドレスの揺れる裾

焚き火を見つめれば
暖められた空間に
名前を書きたくなる

それは私のシャングリラ
私の心臓を守る炎
それは君を示す煌めき



漫画

無限の平面にて
一筋のストーリーをたどる
寄せては返すは感情の波

パラレルなストーリーも想像して
終わり、の先へも行ける
始まり、の前へも

有限の三次元にて
私の瞳に染みだすハイライト



魔法の杖があったらなぁ
あの子とあの子が離れ離れにならないように
ちょちょいと風が起こせたろう

魔法の杖があったんだ
忘れ物にしてしまった
今もなお、どこかへ転がっていくようで

また明日、可能性の照明弾が上がる
魔法の杖がなくても



お気に入りいただけましたら、よろしくお願いいたします。作品で還元できるように精進いたします。