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夜ふかしタイプライターのマラソン

スーパームーン、皆さんはご覧になったでしょうか?人工的な光よりも目立っててびっくりしました。綺麗でしたね~。

眠れずに起きた時にちょうど真上に満月がありまして、小一時間ほど見上げておりました。スーパームーンってセーラームーンみたいだな、なんて思いながら……

今回は言葉の添え木様のお題で作った詩4編と、オリジナルお題の詩1編をお送りいたします。


夜ふかし

バクが夜ふかしにお誘いします

星が綺麗ですね

夜風が涙を乾かします

そらそら、流れ星だ

ほらほら、笑った


いつも白黒の境目で

バクは消えてしまう

いつも無意識と意識の境に

バクと夜ふかしの夢



タイプライター

指が踊るタイプライター

文字は心のままに並ぶ

文字通り


タイプライターでタップダンス

文字が転がる錯視の夢

文字化け


タイプライターの跳ねる音

雨音と私

静かにダンス、ダンス、ダンス



スピード

心の不動はストロボ効果

僕らの心は忙しない


常にフューチャーをフォー・ユー

ヘリの翼のように悠々と舞い上がる

静止した疾風のような君の心


ハイスピードカメラで

雨越しに目撃



マラソン

冷やした部屋とルームランナー

マラソンだよ、と言い聞かせて

どこにもない場所へ走って走った


諦めが開いた部屋のドア

走って走った恥じないように


じりじり焼かれる命からがら

走って走る

移ろう季節、並走する時間

マラソンだよ、と言い聞かせて



手帳(オリジナルお題)

手帳を持ったまま、黄昏泣き

叶わなかった望みは帰る

七つの子と一緒に


幽霊データに文字という形を

手帳はひたすら繰り返す

消しては書いて、書いては消して

幽霊を蓄積していく手帳は

もう今、何冊目でしょうか


秋祭りのあとで、黄昏の亡骸はどこへ

文字の海を探し終わって

七羽のカラスを手帳に描く



お気に入りいただけましたら、よろしくお願いいたします。作品で還元できるように精進いたします。