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神鯖時計② / 毎週ショートショートnote(裏お題)

艶やかで滑らか。ピンと立った耳。長く優雅な尻尾。黒と赤茶色の毛が混じる。
「美しいですねぇ。確かに利口そうだし。」
猫は棚の上に飛び乗ると毛繕いを始めた。
「可愛らしいだけでなく、正確な時間を鳴いて教えてくれるなんて。まさに神鯖時計。」
男の言葉に猫カフェの店主は首を傾げた。
「何の事です?」
「知ってるんですよ、すごいサバ猫がいるって。神レベルに可愛らしくて正確に時間を教えてくれるんでしょう。幾らで譲ってもらえますか?」
男のニヤけた顔に店主は眉をしかめる。
「自由気ままなのが猫ですよ?時間に正確な訳無いでしょう。それに、あなたが見ている子はキジ猫です。」
店主の言葉に男はがっかりして帰っていった。
「全く、猫をなんだと思っているんだ。お前たちには、ちゃんと猫好きで大事にしてくれる人を選ぶからね。」
店主が猫たちに話しかけると、棚の上のキジ猫と足元にいたサバ猫がにゃあと鳴いた。
「あぁ丁度オヤツの時間だね。」


#毎週ショートショートnote

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