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『東京ラブストーリー』登場人物みんな難あり。だからいいのだ。




恋愛とはなんぞや。
恋愛といえば東京ラブストーリーでしょう。

「1億総恋愛体質」


つい先日初めて東京ラブストーリーを全話観た。で、脳内に浮かんだ言葉だ。


例えば、キャプテン翼、ミスター味っ子などを読むと、漫画の世界の中では大人から子供まで全てサッカーや料理の事しか普段から話題にせず、日本中のあらゆる人々がその事を中心に生きているかのように錯覚するほど一色だ。


東京ラブストーリーを観て、まさに同じような感覚に陥った。
もう世の中は「恋愛」のみで構成されており、「恋愛」中心に世界が回っているのだ。


右を見ても左をみても恋愛。
石を投げれば恋愛にあたる。

もはやそんな感じだ。


そして何とも平和な世界であると感じた。
鳩と並ぶくらい「東京ラブストーリー」は平和の象徴な気がする。

沢山の突っ込みどころを兼ねそろえたこのドラマ。今なお語り継がれる理由がよくわかる。


今も昔も「電話」というアイテムは恋愛からは切り離すことはできない。
しかし、91年の当時は携帯電話も普及しておらず、作中でカンチだけが一度だけ会社のポケベルが鳴るシーンがあったくらいだった。


みんな会社に私用の電話をかけまくる。
仕事中なんてお構いなし。
会社に恋愛の事で電話をするのは当時としてもおかしな事であるような気がするのだが…

会社にて、「長尾(カンチ)さんお電話です!」

電話に出ると「おまえちゃんと関口と話したのか」と、三上君(江口洋介)。

三上(江口洋介)はカンチの会社に度々電話をしてくるし、仕事中のカンチを呼び出したりと節操ない。それを言えば関口(有森也実)もだが。というか登場人物皆そうなのだが。


ヒロインである赤名リカ(鈴木保奈美)はかなり不気味な人格をしている。
結局自分が思った通りの態度や答えを求めているだけでのようだ。
例えばカンチがリカに何か質問をして、リカが答えたくない若しくは意に沿わない話だと、無理問答のようにカンチの話を一切聞かないところもだいぶポイントが高い。


もう話を無視されすぎてカンチがかわいそうになってくる。


あれは絶対的に鈴木保奈美の可愛いらしい容姿だからこそ、あのリカの振る舞いが許されているところが大いにある。
その辺の一般人が同じような振る舞いをして許されるとは思えない。


赤名リカの狂気にも似た恋愛体質。
結局のところ、カンチが好きだったわけではなく恋愛している自分、振り回している自分がたまらなく気持ち良いのだろう。
カンチの瞳の中に映っている自分を見て酔いしれているというか。


なんだか終始ディスってしまっているようになってしまったが、本当にめちゃくちゃ面白いドラマだった。カンチ、リカ、さとみ、三上。皆に愛着しかない。


何もシニカルな目線で見るつもりはなかったのだが、やはり当時の時代背景などもあるわけだし、現代を生きる者の視点でだからこそ、当時は見えなかった面白さがあるのだと思う。


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