あなたは街で人と話していて、
 偶然同じ中学校であったり、
共通の知り合いがいたりすると、
急に親近感が湧いたことはありませんか？

「あの人知ってる？」から始まり、
結局自分の身の上話まで全て話してしまうことなどよくありがちな光景です。
あと仲の良い友達と、口癖が一緒になってしまうといったこともあると思います。

 このように自分のテリトリーの人だと判断すると、
信頼関係が急に構築されるのです。 

急に出てきた単語ですが、
「ラポール」はフランス語で架け橋を意味し、
コミュニケーションの中では信頼関係を指します。
それを得るためのラポールスキルによって繰り返しになりますが、
本心で人と話すことができるようになり、
コミュニケーションが潤滑に行えるようになるということです。
逆にラポールスキルが低いとどれだけトークスキルがあって理路整然に喋ったところで、
ただの胡散臭い人になってしまいます。
友達に話を持ちかけられるのと、
そこらへんを歩いている通行人から話を持ちかけられるのとでは、
同じ話をされても友達からされた方が信用するでしょう。
ラポールスキルによって自分自身を通行人じゃなくすためのスキルですのでしっかり勉強していきましょう。 

 まず１つ目は
「ミラーリング」 です。
ミラーリングとは言葉の通り相手の動作や姿勢、表情などを合わせるという技術です。
例）
 ・相手の足が開いている、閉じている、組んでいる。
・相手の背筋が伸びている、手を揃えている、腕を組んでいる。
 ・胸で呼吸しているのかお腹で呼吸をしているのか。呼吸のペース。

 ミラーリングをすることによって上で話したような同じ中学校であった、口癖が同じである。
というような感覚を相手に与えることができるというわけです。
しかし注意しなければならないことがあります。
たまにいらっしゃる方で、
 猿真似のように同じ行動を瞬時にとる方が居ますが、

絶対にやめてください！ 

逆に相手に不快感を与えることになりかねません。
ミラーリングは、相手が例えば足を組んだら、
直後ではなくタイミングを見てさりげなく組むということです。
ここを間違えて、たまにクレームを入れる方が居ますが、
逆の立場になって考えてやられて嫌じゃないレベルでやんわりやるということが大事です。
自分が街で気づいた最たる例は、
「次何飲む？」って聞かれた時に 「あ、同じので！」と同じタイミングで同じものを飲み進めていくというのがとても良いなと感じましたね。
 ※とはいっても飲み過ぎには注意してください（笑）

 ２つ目は
「マッチング」 です。
マッチングとは主に聴覚情報に訴えかける方法です。
具体的には「トーン」「テンポ」「ボリューム」などです。
トーンを高くしたり低くしたり、
テンポを早くしたり遅くしたり、
ボリュームを上げたり下げたりすることで話の内容とリンクさせると相手に伝わりやすいということです。
 怪談師が良い例です。
怖い話をハキハキ元気にせかせかと話されても何も怖くないですよね？
もう１つ例を挙げれば安倍首相を筆頭とする政治家の方々も同じような手法を使っています。
 熱く語る場面もあれば、
淡々と人の前でプレゼンしている場面も見たことがあると思います。
安倍首相が早口で捲し立てるような喋り方をしているところを見たことがある人はいないと思います。
人に内容を伝え、理解を得るためにはまったりとしたトーンでゆっくり喋ることが大事であることがわかっているからです。
政治家の方々は演説などのプロですから見て勉強するのも良いかもしれませんね。 

 ３つ目は
「バックトラッキンング」 です。
バックトラッキングを簡単にいうと「オウム返し」です。
例をあげます。

A「この前ショッピングしたの！」
 B「ショッピングしたんだ！」

のような感じで相手が言った言葉を使って返事をしていくというような方法です。
しかしここで気をつけなければならないのは、
同じ言葉を使う方が効果的だということ、
そして言い方や言い回しを変えてしまうだけで相手がどう受け取るが変わってしまうということです。
 例を挙げますと、

A「最近あまり食べないようにしてるんだ」
 B「健康に気を付けているんだね。」

だったり、

 A「会社の業績には数字が大事だ。」
 B「そうですね、利益が大事ですね。」

という風に変に言い回しを変えてしまうと、
相手の言いたいこととずれてきてしまう可能性があります。
そしてこれを繰り返すとこの人と合わないな、と感じてしまいます。
復唱することで、 「あ、この人私の話を聞いているな。」 と感じやすくなります。
 私から言わせればこれが本当に下手で実践できない人と会話していると、

A「私のこと愛してる？」
B「大好き！！」

という会話くらい違和感があります。笑