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カミングアウトして職場を破壊した話 前編

こんにちは、ねみです。
今日は性別移行で避けては通れない、カミングアウトについてです。

カミングアウトってなにー?って方もいると思いますが、簡単に言えば自分の秘密を相手に公表すること。私の場合だと、「性同一性障害なんです」って相手に伝えることですね。

私はこの記事を書いてる時点で戸籍はまだ男性ですが、会社では「女性社員」として仕事しています。そこに至るまでの経緯なんかを書いていこうかな~と思います。

結構長くなったので、前編後編の2部構成です。

仕事しないと生きていけない

前回の記事にもあるように、とりあえず「たまたま」は取りました。
これで男性ホルモンは出ない!ひとまず安心!

とは言うものの、やることは山ほどあります。
そして何より、性別移行にはお金がめっちゃかかります!!!
(性転換費用だけで私の場合はざっくり250万円ほど)

なので、移行しながら仕事もしていかないといけません。そして、性転換手術時にはお休みも取らなきゃ。。。

とにかく不安が山積み。どうしよう。

つらすぎて上司に相談した

とにかく先行きが見えなくて不安。そしてたま切りで男性ホルモンが激減してホルモンバランスがおかしくなっていたのもあって精神的にかなりきつい状態でした。

そんな状態で仕事をしていたら直属の上司にめちゃくちゃ心配され始めました。こいつ大丈夫か…?的な。そういえば、たま切り時は内容を伏せて「手術するので1週間休みます」とだけ伝えてたんですよね。

あまり謎の心配をかけても困らせるだけなので、ここで上司にカミングアウトをすることにしました。

正直、そろそろどこかで言わなきゃなって思ってたので、性同一性障害の診断書のコピーを持ってました。用意周到ですよね私。なのでそれを見せつつ
・性同一性障害であること
・ホルモン治療をしていること
・最終的に女性として生きれるようにしたいこと
・性転換手術をうけたいこと
・お休みをとること
・仕事内容を調整してほしい事

などなど、色々と話しました。

「おお、そうか~。マジかぁ…まぁ今の時代は色々あるよね~」

「なんか命にかかわる系の病気なのかと思った。よかった~」

いや全然良くないから!この障害の自殺率とんでもないよ!?
でも予想よりかなりあっさりした反応。そんなんでいいの??って感じ。

相談ラッシュが始まった

手術でお休みをとる必要があったり、業務内容の調整も必要だったので上司のツテで色々と話を進めていくことになりました。

上司から所属部署の部長に話が行く

所属部署の部長と面談 !

部長から人事部長に話が行く

人事部長と面談!

もうなんか、始まってしまえばポンポンと進みますね。でもさすがに人事部長まで話が行くと思わなかったです。めちゃくちゃ緊張した…

印象的だったのは、管理職の方々に共通して言われた
「会社を辞めないで相談してくれてよかった」って言葉でした。

確かに、性別移行をする人は
お金を貯める

会社をやめる

性転換する

戸籍を変えて女性として再就職

みたいなルートが多い印象。

一方で私が選んだルートは仕事をしながら性別を変えるというもの。
こういうのを業界(?)では「在職トランス」といいます。

それぞれの生き方やメリット、デメリットをよく考えて選択すべきだと思うのですが、私はとにかく最短で手術やら色々済ませたかったのでお金を貯めてる余裕がありません。

ローンも借りて手術を受けようと思っていましたし、今の会社の勤続年数やネームバリュー、給料、福利厚生とかを考えると「在職トランス」しかないなって感じでした。

LGBT担当の方と面談した

なんとうちの会社の人事部にはLGBT担当の方がいるらしい!?!
え?これすごくない? すごい気がする。

人事部長から紹介を受け、LGBT担当Kさんと人事のマネージャーFさん交えて具体的な対応について相談をしていくことになりました。

その際に説明した私の性別移行、在職トランスプランはこんな感じ。
(今現在)男性として仕事してる

半年以内にタイに整形手術をしにいく

しばらくお金貯める

2年後タイで性転換する

戸籍を変える

職場復帰して仕事 職場でカミングアウト

(見た目が女になれたら)部署異動して女性として働く(正直分からん)

性別移行のやり方も十人十色だと思うのですが、私はとにかく「見た目重視」でした。だっていくら女ですって言っても、見た目で周りに受け入れられなければ無理だと思うんです。というか、まず自分が耐えられない。

Fさん:「戸籍を変えてからってのは大変なので、名前の変更やトイレ・更衣室など、環境の面で今から出来ることを順番にやっていきませんか?」

ひと通り話した後、人事のFさんからとんでもない提案が出てきて、びっくり仰天。いやびっくりしてる場合じゃない。

ねみ:「私が女子トイレに入ったら通報されますけど!?」

お金を稼がないと生きていけないので、ここで問題を起こして会社を辞めるはめになったら人生おしまいです。ローンもあるし。破産してしまう。

Fさん:「普通に女性に見えるし、トイレにいても違和感ないから大丈夫です」

Kさん:「うん、へーきへーき」

そんなわけあるかーい!って納得できない自分。ぶっちゃけ、自分の男らしい部分は嫌というほど知ってるので、全く理解できません。たま切りしてからまだ4か月しか経ってないし。

とは言っても、やれるだけのことはやってました。脱毛に通ったり、服装や髪型を寄せたりメイクを色々試したり。男らしい部分は隠して誤魔化したり。あと、人事の2人の前では声も変えて話してました。そういう状態での初対面の印象では女性っぽく見えるみたいです。

正直全く納得できませんでしたが、仕事で面談でしてるお二人から冗談やお世辞でそんな言葉は出ないだろうと頭では理解して飲み込みました。実際のところ、そうなれたらいいなって思って性別移行してるので、「女性に見える」というのは嬉しかったです。

会社での名前の変更などの手続き関係は後日、Kさんと調べながらやりとりしていくことにして、この日は終了。

前編まとめ

職場の上司から始まって、会社のLGBT担当の方にまで相談することができました。とりあえず、今後「在職トランス」をやっていく下準備が整いそうで安心です。会社も辞めさせられたりしないし、お金を稼げる生きていける!

ただ、結果的に当初自分で考えていたプランとは全然違う形になりそうなので、予定を大幅変更しないといけません。つまり「職場で女性として働く」というのを次にやらないといけないわけです。

次回に続く…

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