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Cardiff3.ホームステイ先から逃げ出す

件の通り。まだ一週間しか滞在していないが、ホームステイ先から学生寮に移ることを決心。

学生を受け入れているのに勉強机がない部屋、ボイラーの不調?設定?でお湯が出ないことが多々ある朝。何故かタオルが1枚しか渡されていない謎、「え、ここ外なの?」とツッこみたくなるレベルで寒い家全体。洗濯物が乾かない乾燥機、物理的にも環境的にも開けられない部屋のブラインドシート。ブツブツ途切れる、使い物にならない不安定すぎるWi-Fi。

挙げたらキリがない不満。
ホームステイ先にお客様として滞在するな云々は理解している。しているが、そもそもの設備が整っていないというのはどうなんだろうか。
いや、もしかしたら私が求めるレベルは日本を基準とした「最高位」のレベルなのかもしれない。上で挙げた内容は、こちらの国では普通のことなのかもしれないし、こういった「不便さ」を体験するのもホームステイの醍醐味なのかもしれない。

……………。
いやいやいやいや。無理だから。ほんと無理。
なんで安くもない金額払ってるのに、生活するのにこんなストレス抱えないかんのじゃ。

打たれ弱い私には耐えられなかった。
これならば少し費用が嵩もうが、設備の整った学生寮の方がいいに決まっている。

3/10にステイ先に着き、学生寮に移れるかとメールで問い合わせたのが3/16。残念なことに、ホームステイ先での不満はたったの一週間で爆発してしまった。堪え性のない奴だ、と思う存分笑ってくれ。
学校側の担当者から返信が来たのが3/18。返信の内容としては「翌日訪ねてこい。部屋を決めるぞ」といった内容だったため、承知したとの内容と併せ、以下のことを返信した。

Since I can't speak English well, I will send you some questions in advance. I would appreciate it if you could respond by text, either today or tomorrow.

・I have paid homestay fees for 8 weeks, but will there be a penalty fee when I move to a student dormitory?
・Will the homestay fees I have already paid not be refunded, and I will have to pay the full dormitory fees again?
・When will the host family be notified that the homestay will be terminated? Or will the school not notify me and I will have to explain?


翻訳機能を使っているため文章として変な部分が多々あるかもしれないが、要約すれば「英語が不自由だから予めテキストで質問送るね。違約金がかかったりするの?8週間分のホームステイ費用を払い込んでるけど、学生寮に移る時は改めて全額払わないといけないの?というか、ステイ先を出ていくってことはいつファミリーに伝えるの?そもそも学校側から伝えてくれるの?私から伝えないといけないの?」といった内容である。

このメールを送り「よし、明日学校側と話してくるか〜」とホッとしたのも束の間。マザーから呼び出され、いきなり「この家を出て行くことは知ってる。何故出ていくんだ」と尋ねられた。

…………は?移動したいこと、何で伝わってんの?
学生寮の部屋も決めてないのに、学校側は出て行くこと、もうマザーに伝えたの??

私は狼狽えた。こちらは出て行く表向きの理由を準備できていないというのに、不意打ちで喰らったマザーからのカウンターに冗談抜きで酷く狼狽えた。
学校側の担当者を往復ビンタ&往復ビンタしてやりたくなった。心の中ではFワードを吐きまくり、口汚く罵りながら、メラメラと殺意が湧いていた。

こちらをじっと見つめるマザーに「あー……えー……と……」と視線を伏せ呟きながら、翻訳アプリに何とか理由を打ち込み始める私。
【私の問題です。ファミリーは悪くないです。】といった内容で書き始め、不満は伝えずそれらしい内容を打ち込んでいく。
そして、翻訳したものを再翻訳せず、内容未確認のままマザーに見せたところ、何とも言えない笑顔を浮かべた彼女は「わかった」とだけ言い、さっさと踵を返しその場から立ち去った。

その場に取り残された私は、ひとまず自室に戻り籠城する。そしてマザーに見せた内容を再翻訳したところ、何とも良くないものに変換されていることに気づいた。焦っていたとはいえ、再翻訳しなかった重大ミス。

うわ、やっちまったなあ……これじゃあ「私が悪いんです〜」って申し訳なさが伝わってないわ……と鳩尾がどんより重くなった。

というのが先ほど、これを書いている2時間以内に起きたことである。未だ落ち着かない気持ちに、色々と吐き出したくこの文章を作成している。

ちなみに夕食はひとりで食べた。マザーと娘さんは、区切られていない隣のリビングスペースでテレビを見ながら談笑していた。
食事に呼ばれた際「私と娘は後で食べるから」と言われ、併せてプライバシー云々とも言っていた。ひとりを好む私に気を遣ったくれたのか、それとも交流する努力すらせず早々に出て行くことへの嫌味だったのか。言葉が聞き取れなかった私に、真意のほどは分からない。
正直なところ気まずさから食欲なんてなかったのだが、ここは食べ切らないといけない状況だろう、と判断したため無理をして完食した。

明日からどうなるのか。突如もたらされたこの重い日常に、メンタル弱弱ちゃんな私は逃げ出したくてたまらない。

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