見出し画像

📘居るのはつらいよ ケアとセラピーについての覚書

読んだ本のメモ。

新人研修を受けていた頃、私は研修中に使われる言葉に対して敏感になっていた。
ガクセイとシャカイジンは違う、シャカイジンは会社の名前を背負っているので自分の行動に責任を持つことなどと、いろいろ釘を刺された。
なぜ自分のやることを他人から強く指示されねばならないのか、とんとわからなかった。
そのようなことを一方的に言うのであれば、自分達がこの会社に採用された意義や組織とはどう成り立っているのかを説明してから伝えて欲しいと思った。
1日7時間以上椅子に座って話を聞かなければいけなかったし、身体的にも精神的にも毎日負担がかかっていた。

研修の運営のやり方に疑問を持っていたし、何故これほど苛ついているのか上手く言えなかった。
しかしこの本を読んで、なるほど自分の今の状況はセラピーではなく、ケアを求めているのだと思った。

基本的に研修はセラピーの要素を含んでいる。
自分がチーム中でどのように振る舞えばチームに貢献できるのか、与えられた課題に対し良い結果を出すために何をすべきか、何を改善すべきかを考えることを強いられる。
そこにただ居る、その場所に存在する、現状の自分をまじまじと見つめることは認められていなかった。それがただただ悲しかったのかもしれない。
新しい環境に属し、慣れない行動を強いられる中で、その時やりたかったことはケアだったのだ。

この記事が参加している募集

読書感想文