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わたしのいとしい、かいじゅう11

自分だけが粉ふるいにしがみついてるような
そんな感覚ってみんなあるんかな。
あるんやとしたら、どうしてそんなに
平気な顔して生きていけるん。

毎日体が重くて

寝る間も惜しんで
食べることも忘れて
夢中になれた仕事も
遊ぶより抱き合うより
わたしを幸せにしたお客様の笑顔が
つまらない毎日が楽しくなる
おまじないみたいなものづくりも

命をかけてでも守りたいと思っていた仲間を
裏切れるはずがないと思っていた友人たちも

好きだったものを少しずつ好きじゃなくなって

薄情者め、と
心変わりを自分だけが許せなくて
寂しさに今度は溺れる。

貴方らしくないねって
私になったこともないくせに。
無責任だ。
優しいを振り回すんじゃない。
案外、優しさって硬いから痛い。

わたしらしくない事くらい
自分が一番よく知ってるよ。

助けて助けて助けて
返して返して返して。
知ってるなら教えてよ、わたしのこと。

この世の中に自分だけミスマッチなのに
どうしてかな、簡単に溶けていく。
バブみたいに消えたくて願ったり叶ったり
なのにどうして。
こんなに哀しい。

わたしはここにいる。
今日もかいじゅうが暴れている。

今日は雲ひとつない
ちょっとだけ死にたい日だ。

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