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1971(昭46)年コミックスの既刊紹介ページで、時代のマンガシーンを回顧(1/3)


動画前半12分12秒



動画後半15分13秒



白土三平・永井豪・手塚治虫・楳図かずお・福本和也・一峰大二・さいとうたかを・桑田次郎・梶原一騎・つのだじろう 先生他

「宇宙猿人ゴリ(うしおそうじ・一峰大二)」第1巻(’71初版)の既刊紹介ページで、その時代のマンガシーンを振り返る(1/3)。


宇宙猿人ゴリ・宇宙猿人ゴリ対スペクトルマン・スペクトルマン
うしおそうじ・一峰大二
1971(昭46)~



スペクトルマンの単行本。これ昭和46年(71年ですね)6月5日初版発行となっていますけど。

ぼくが手に入れたのはそれから30年も経って、90年代の終わり頃だったかなと思います。復刻版の方も、99年発行ですね。

学生時代に古本屋さんの店頭販売のバイトをしたことがありまして、80年代に入った頃ですね、その時に全7巻が1500円くらいで置いてあったんですよ。



でも貧乏学生なもので、その1500円の余裕がなくて‥。正確には、その時つげ義春先生のマンガを見つけて、そっちを買ってしまったんですが(こっちは800円弱でした)。

まあ、学生ですし。

その後、就職してからも、どこの古本屋さんでも、スペクトルマンには全くお目にかからないままで。

90年代の終わりに、インターネットを始めて、「古書価格8万円」なんていう、とんでもない情報を目にして、とてもがっかりした覚えがあります。



この「10万円」は、さすがにちょっと、盛って書いてる気がしますね。

こちらはね、大分の小さな古本屋さんで、1巻だけですけど、100円とかそこらで手に入りました。


サスケ
白土三平
1961(昭36)~



それでは、せっかくここに、昭和46年(71年)の単行本があるので、その頃のマンガを振り返ってみようと思います。


・白土三平選集

白土三平先生のマンガは、ぼくの世代よりも少し上の、所謂「団塊の世代」のお兄ちゃんたちのバイブルぽいところありましたね。「カムイ伝」とかで。

ぼくは小学館の学習雑誌や、テレビまんが‥当時はアニメという言葉はまだ馴染みがなく、テレビまんが、ですね‥で、「サスケ」は観てました。



サスケ、の単行本は持ってないですが、こちら講談社の「少年マガジン大全集」という、1990年に出た、資料、に、サスケ他、白土三平先生の作品が紹介されてます。

ぼくが読んでいた少年サンデーの方のサスケは、アニメ化に合わせたリメイク版だったようです。



これがサスケ。少年忍者ですね。<秘術 微塵がくれ の ひみつ>。

白土三平先生の忍者マンガ、忍法・忍術を駆使して闘うんですけど、その術の解説をね、敵を倒した後などに、図解で詳しく、細かくやってくれるので、

子供心にね、おお! これはそうなっていたのか! と興奮して読んでました。



サスケ、ぼくが小学校1年生の時の、付録のソノシートがありまして。1968年、の、12月号。ついでに紹介します。

サスケと、ドカチンと、佐武と市、1年生向けですけど、ラインナップ、渋いですね。

佐武と市は、石森章太郎先生の時代劇マンガ。

ドカチンは、板井れんたろう先生の、原始人の一家が現代にタイムワープしてきて、‥現代、といってももう50年以上前ですね、

・・ドタバタ騒動を、起こすギャグマンガだったと思います。

ドカチンのアニメの方は、大分では放送はあったのか、記憶がないですが、タツノコプロの作品で、そちらが原作のようですね。


あばしり一家
永井豪
1969(昭44)~



「あばしり一家」全15巻の、この時まだ、3巻までなんですね。永井豪先生の、ロングラン。当時の少年チャンピオンの看板マンガです。

一家全員が凶悪犯罪者の、ダイナミックな、悪者マンガですね。



同じチャンピオン連載のスペクトルマンつながりで、宇宙犬人ブルと、部下のドッグ1号、なんていうね、パロディのギャグも「あばしり一家」に描かれてました。



コミックスだと8巻ですね。



あばしり一家長男のあばしり五ヱ衛門‥これゲッターロボの石川賢先生がモデルなんですよね‥が変身したかのような、・・



・・スケベ怪獣・エッチラーという、あほな怪獣が出てきます。

永井豪先生の、あほでしょうもないキャラクター、もう本当、大好きなんですよ。

永井豪先生作品は、あらためて、また、いくつか紹介、させてもらいますね。


ザ・クレーター
やけっぱちのマリア
手塚治虫
1969(昭44)~・1970(昭45)



ザ・クレーター 69/08~70/04、やけっぱちのマリア 70/04~11。

手塚治虫先生の恐怖マンガと、エッチマンガ、というか、性教育マンガですね。



このころのマガジン・サンデー・ジャンプ・チャンピオン・キング、隣の家の親戚のお兄ちゃんが社会人で全部購入していたので、・・



・・リアルタイムで、ぼくもほとんど読んでるんですけど、さすがに単行本で持っていないと、具体的な内容までは忘れますよね。



アニメになった「海のトリトン」や、「ふしぎなメルモ」、これ、また妹が小さい頃にお小遣い貯めて買ったレコードですけどね、

あと大人マンガの「きりひと讃歌」や、

また「火の鳥」の 鳳凰編、復活編、羽衣編、望郷編 と、「ザ・クレーター」「やけっぱちのマリア」この2つはほぼ同じ時期なので、あまり目立ってはいない作品、ではありますよね。

73年に「ブラックジャック」が始まるまでのこのあたりの数年は、手塚先生、人気が低迷して、ご自身も「冬の時代」とされていたそうなんですが、

それでもこれだけの作品を生み出されていたんですね。



逆に言えば、この頃、70年代前半というか、昭和40年代、の、マンガや特撮がどれだけ充実した、最盛期を迎えていたのか? が、よく分かります。



手塚先生に憧れてマンガ家になったトキワ荘世代の先生方は、もうそれこそ、第一線の売れっ子で全盛期ですし、

さらにひと世代下の永井豪先生も、色んな雑誌で、看板貼られてますしね。



子供から若者向けの、マンガや特撮などの娯楽が、新しい文化としてね、ぐんぐん広まっていった、とっても面白い時代でした。

こんなタイミングでね、ほとんどの少年マンガ読ませてもらってましたので、とてもラッキーでした。


おろち
楳図かずお
1969(昭44)~



宇宙猿人ゴリと、楳図かずお先生の、おろち。



ここから、チャンピオンコミックスからサンデーコミックスの紹介になってますね。

スペクトルマンは、秋田書店の「少年チャンピオン」と、「冒険王」‥月刊誌のね‥なんですけど、「おろち」は、小学館の、「少年サンデー」の連載でした。

この頃は、まだ、雑誌連載マンガのコミックス化、という文化‥商売、ともいいますよね‥が、定着していなくて。

必ずしも、作品掲載誌の出版社から、単行本を発行・・というわけでもなかったんですね。



おろち 69~70

楳図かずお先生の、名作中の名作ですよね。



これより初期の楳図かずお先生のマンガは、こちらもまだ小さかったですし、もうただただ怖かったんですが、・・



・・この「おろち」あたりからは、恐怖、の、もうひとつ向こう側、・・深く考えさせられたりね、・・その、とっても、こちらの胸の奥に、・・



・・何か、深いものが、染み込んでくる、お話が、読み取れるようになってきましたね。



読み手のこちらも、小学2年生から3年生くらいになってきて、幼児から、だんだんと思春期にむかっていく年代になってきましたからね。



楳図かずお先生の作品がいよいよ、より一層の真骨頂を発揮される時期、と、子供の、こちら側の内面の成長期とが上手くシンクロしていた気がします。



楳図かずお先生のマンガは、いずれまた、もっともっと、詳しくお話させてくださいね。



今回の参考資料



宇宙猿人ゴリ
うしおそうじ・一峰大二
サンデーコミックス

スペクトルマン 完全版
うしおそうじ・一峰大二
角川書店

復刻版 少年マガジン大全集
講談社

テレビマンガレコード
サスケ・ドカチン・佐武と市
小学1年生 1968年12月号 付録ソノシート
朝日ソノラマ

あばしり一家
永井豪
チャンピオンコミックス

COMIC BOX 特集 ぼくらの手塚治虫先生(追悼号)
(株)ふゅーじょんぷろだくと

ふしぎなメルモ 主題歌レコード
日本コロムビア

きりひと賛歌
手塚治虫
大都社

火の鳥
手塚治虫
朝日ソノラマ

トキワ荘青春物語
手塚治虫&13人
蝸牛社

おろち
楳図かずお
サンデーコミックス



2/3に続きます。



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