アメリカ出産③

2月もそろそろ終わりますね。
日本から手伝いに来てくれている母がもうすぐ帰国してしまうので、先日夫に娘をお願いして親子でマンハッタンを満喫してきました。
身軽になった体で歩き回るのが楽しすぎて、夕方には完全に足が棒になっていました…体力と筋力、どこにいった?

ビッグベビー疑惑と予定日超過

妊娠生活はありがたいことに特に大きなトラブルもなく、毎回の健診も問題なく過ぎていきました。
赤ちゃんが私の予想より大きくなりそうということを除いて。

36週時点で推定体重は3,000gを超え、予定日3日前のエコーではなんと3,600gに。
私の体重もぐいぐい増え、妊娠前+14kgに…
それでも特に指摘はなく(アメリカ基準では普通なのか?)、陣痛が来たら病院に来てくださいねと言われるのみ。しかしその陣痛らしきものがなかなか来ない。

予定日を迎えてもなんの音沙汰もなく、4,000gの大台もあり得るか…?!とどきどきしていた予定日超過3日目、夜中にやや規則的なお腹の張りと痛みが。
これは…?!

出産の神様、トシと池崎

微妙な痛みが翌日のお昼になっても途切れず、間隔も短くなっていたので念のため病院に行ってみることに。
診察を受けたところ、子宮口は3センチだが陣痛がまあまあ来ているのでもう入院しましょう、とのことでした。
正直この程度の痛みなら一度家に帰されるだろうと思っていたので、これは予想外。
そのままLDR(陣痛分娩室)に移動しました。帝王切開などの手術が必要にならない限りは、ここで出産までを過ごします。

そこからはひたすら陣痛を耐える時間になりました。バースプランでは陣痛中は動きたいなどと書いたくせにまるっと忘れてベッドの上で心頭滅却。
先人たちの知恵「タカトシのトシの画像を見ると痛みが和らぐ」に従い陣痛が来るたびにひたすら画面の中のトシを睨んでいたのですが、これが本当に効く。トシはすごい。
間隔が3分を切るころにはさすがにトシを睨む余裕もなくなってきたので、麻酔をお願いしました。

無痛分娩=計画無痛分娩のイメージだったのですが、アメリカは麻酔科医の先生が常駐しているため24時間いつでも麻酔を打ってもらえるんだそうです。
10分ほどでいかつい金のネックレスをした男性の麻酔科医が登場。即打ってくれました。痛かった。

その後破水してからはあっという間に痛みが強くなり(麻酔が効いているのでピーク時のみわかる)、いよいよいきみましょうと。
夫と母に立ち会ってもらっていたので、私の左足を看護師さんが、右足を夫が支え、母が真横で応援、正面に先生が構えるという不思議な陣形でした。

陣痛にはトシですが「いきむ時はサンシャイン池崎になりきっておへその上のろうそくを吹き消すつもりで」というこれまた先人の知恵があります。
ご本人のYouTubeで事前にイメトレした通りに池崎をやりきりました。動画はこちら。

サンシャイン出産法

日本のお笑い界には出産の神様が二人いる。

ついに我が子と対面

何度目かのイェーイ!!を決めたのち、無事に娘が誕生。頭が出た!と思った瞬間全身がずるんと登場していました。

自分で思っていた以上に異国での出産にナーバスになっていたようで、生まれたての娘を見て感動して泣くというよりも無事にやり切れたことにほっとして放心してしまいました。

無痛分娩ではありましたが、麻酔を入れていても最後は声が出てしまうくらいには痛かったです。これは麻酔の量や効きやすさにもよるのだろうけど。
看護師さんからは麻酔の追加もできると言われていたのですが、感覚がまるでなくなるのも怖い&麻酔によって陣痛が遠のきお産が長引く人もいると聞いていたので、追加はしませんでした。普通に追加したらよかった。

ちなみにあんなに心配していた娘の体重は3,200gと、予想より随分小さめでした。大変お騒がせいたしました。

アメリカ流スパルタ入院生活

私はカンガルーケアを希望していたので、生まれてすぐに胸の上に娘を乗せてもらいました。
ただ産後の処置(裂けたお股の縫合)も同時に行われていたので、「可愛い」「小さい」「あったかい」「元気そうでよかった」という色んな気持ちの合間に、常に「痛い」「チクチクする」「何針縫うんだ」がよぎっていまいち集中できなかったです。
途中で気になって「何針縫います?」って聞いたら「今集中してるから待って!」とちょっと怒られました。結局何針縫ったかは教えてもらえなかった。

2時間ほどゆっくりしたのち病室へ。驚いたのは病室へは私が抱っこして娘を連れて行ったこと。さすがに私自身は車椅子に乗って看護師さんに押してもらいましたが、そこから病室では完全に母子同室となりました。

看護師さんが抱っこや授乳の仕方、おむつの替え方や必要なものがどこにあるかを一通り教えてくれましたが、その後は定期的に娘の状態を確認しにくるだけ。
産後の体調にもよるとは思うのですが、思った以上に早いタイミングで全て自分一人でやるのだなと少し戸惑いました。

ただ一番戸惑ったのは退院までのスピード感。友人たちからアメリカは産後48時間しか病院にいられないという話は聞いていましたが、私の場合は34時間でした。

34時間。何度数えても14時間足りない。

その34時間の間に親子の検査とニューボーンフォトの撮影をしたので、私の寝る時間はほとんどありませんでした。
ボロボロのヘロヘロのまま、生まれたての赤ちゃんを抱いて退院。
おむつや服など必要なものは全て病院からもらっていたのと、退院までの日数が少なすぎるのとでたまひよを見ながら準備した入院バッグの中身はほとんど使わずに終了しました。特に化粧ポーチ。絶対いらなかった。

一年生同士

見聞きしていた日本でのお産との違いに戸惑いつつも、無事に娘が生まれてくれて本当によかったです。
娘の名前を覚えて病室に来るたびに呼んでくれた看護師さんもいて、病院では誰もが丁寧に親切に接してくれました。

娘は人間一年生、私はお母さん一年生。
これからも健康にすくすく育ってくれるよう、そして楽しい毎日となるよう、一年生同士頑張ります。

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