山城むつみ 『文学のプログラム』 : 危機に立って思考する。
書評:山城むつみ『文学のプログラム』(太田出版→講談社文芸文庫)
山城むつみを読むのは、初めてである。
柄谷行人と浅田彰のやっていた文芸批評誌『批評空間』の関係者として、昔から気にはなっていたのだが、ずっと読む機会を逸してきた。
今回は、『批評空間』の版元である太田出版から「批評空間叢書」の一冊として1995年に刊行された、初版単行本版『文学のプログラム』を、古本で入手した。
したがって、2009年に講談社文芸文庫から復刊された版に収録されているであろう「解説文」や「文庫