マガジンのカバー画像

「学術書・学術啓蒙書」のレビュー

793
人文書、科学書など(別立ての宗教関連書を除く)学術書と啓蒙書を紹介します。
運営しているクリエイター

#批判

小津安二郎監督 『戸田家の兄妹』 : 「肉親でさえ冷たい」という怒りの、真の矛先

映画評:小津安二郎監督『戸田家の兄妹』(1941年・モノクロ映画) 本作は、小津安二郎が「日…

6

古田徹也 『謝罪論 謝るとは 何をすることなのか』 : 人の振り見て、わが振り直せ

書評:古田徹也『謝罪論 謝るとは何をすることなのか』(柏書房) 本書の「プロローグ」は、…

年間読書人
2週間前
17

カール・ラーナー 『現代に生きるキリスト教』 : 「現世」をも 変えていく力

書評:カール・ラーナー『現代に生きるキリスト教』(エンデルレ書店・1965年刊) カール・ラ…

年間読書人
4か月前
12

「文芸批評」的に読むとこうなる。 : 平田雅彦・平田悠悟 『38万人を診た専門医が教…

書評:平田雅彦・平田悠悟『38万人を診た専門医が教える 自分で痔を治す方法』(アチーブメン…

年間読書人
5か月前
21

和泉悠 『悪口ってなんだろう』 : 「悪口」の正しい使用法とは?

書評:和泉悠『悪口ってなんだろう』(ちくまプリマー新書) 叢書「ちくまプリマー新書」は「…

年間読書人
5か月前
18

池田大作の死 ・ ある虚妄の終焉

一昨日から二泊三日(2023年11月16日〜18日)で北海道へ行ってきたが、その前日から、良かれ悪…

年間読書人
6か月前
21

キム・ジウン&キム・ドヒ監督 『差別』 : 肉を切らせて、 骨を断て!

映画評:キム・ジウン&キム・ドヒ監督『差別』(2021年・韓国映画) 「在日朝鮮人差別」問題を扱ったドキュメンタリー作品のようだったので、観に行ってきた。 私の文章を、ある程度読んでくれている人なら知ってのとおり、私の20年にも及ぶ「ネット右翼」への批判や直接的な言論対決の、そもそものきっかけは、在特会(在日特権を許さない市民の会)が、ネットにアップした「京都朝鮮第一初級学校への抗議行動」の映像を視たことだった。 在特会がこの抗議行動を起こした理由というのは、この朝鮮人

西田宗千佳 『生成AIの核心 「新しい知」といかに向き合うか』 : 薄っぺらなディス…

書評:西田宗千佳『生成AIの核心 「新しい知」といかに向き合うか』(NHK出版新書) ハッキ…

年間読書人
7か月前
12

宏洋 『神になりたかった男 回想の父・大川隆法』 : カリスマ依存は終わらない

書評:宏洋『神になりたかった男 回想の父・大川隆法』(幻冬舎) 今年(2023年)3月2日、宗…

年間読書人
7か月前
32

春日武彦・ 平山夢明 『「狂い」の調教 違和感を捨てない勇気が 正気を保つ』 : 狂…

書評:春日武彦・平山夢明『「狂い」の調教 違和感を捨てない勇気が正気を保つ』(扶桑社新書…

年間読書人
10か月前
7

『柄谷行人 中上健次 全対話』 : 正面突破の双騎士

書評:『柄谷行人中上健次全対話』(講談社文芸文庫) やっぱり柄谷行人は、私に合うなあと思…

年間読書人
10か月前
22

ベネディクト・アンダーソン 『想像の共同体 ナショナリズムの 起源と流行』 : 「国…

書評:ベネディクト・アンダーソン『増補 想像の共同体 ナショナリズムの起源と流行』(NTT出…

年間読書人
10か月前
33

『加藤周一対話集1 〈日本的〉ということ』 : 背教者としての 「隠れキリシタン」

書評:『加藤周一対話集1 〈日本的〉ということ』(かもがわ出版) 加藤周一を読むのは、こ…

年間読書人
11か月前
24

内田樹 『日本辺境論』 : 読んで楽しい 「自己啓発本」

書評:内田樹『日本辺境論』(新潮新書) 本書は『新書大賞2010 第1位』を獲得した、当時のベストセラー本である。 ちなみに、この「新書大賞」というのは、中身云々ではなく、「よく売れた新書本」に与えられる賞だ。 なんで10年以上も前のベストセラー本を読んだのかというと、最近読んだ本の著者が本書を褒めていたからで、「それなら、やっぱり良い本だったのかな?」と思ったからである。 ちなみに、何という本で誰が褒めていたのかは失念した。いつも書いているとおり、自慢ではないが、私は